Archives for July, 2015

ドライマウス(口腔乾燥症)の原因と対処法

唾液の量が減って口の中が乾いた状態になるドライマウス。現在、日本でドライマウスを発症している人は推定800万人と言われています。口臭や舌の痛み、虫歯などを引き起こすドライマウスを防ぐために、どんなケアが必要なのでしょうか。 ドライマウスの原因 初期の段階では、口臭や口の中のネバつき、歯垢が増えるなどの症状が現れ、重度になると、舌の痛みで物が食べられない、さらに強い口臭に発展するケースがでてきます。ドライマウスには以下のような原因があります。 ストレスによる唾液分泌量の低下 加齢による唾液分泌量の低下 糖尿病、腎不全などの病気 風邪薬や血圧降下薬など、薬の副作用 口呼吸 シェーグレン症候群、自己免疫疾患 睡眠薬、精神安定剤、一部の抗アレルギー薬の長期服用 こういった要因でドライマウスを発症する患者は、中高年層の女性に多いと言われています。唾液腺などの外分泌腺はホルモンの影響を受けやすいため、女性ホルモンが減ってくる更年期の女性が発症しやすいのです。 ドライマウスのセルフケア ドライマウスは、日常生活の中でケアを心掛けることで、症状を和らげたり改善したりすることができます。 (1)唾液分泌体操、ツボ刺激療法 唾液の分泌を司る、唾液腺分泌体操や、唾液分泌を促す傍廉泉(ぼうれんせん)、耳宮(じきゅう)などのツボを刺激する事により、唾液の分泌が促進されます。(口腔内カメラ) (2)口の中を潤す こまめな水分補給を心がけましょう。糖分の入っていない飲み物がオススメです。また、飴をなめたりガムをかむことでも唾液の分泌を促すことができます。 (3)歯磨きはこまめに行う 唾液には歯や口の中の粘膜を守る働きがあり、ドライマウスで口が乾燥気味になると口の中が不潔になりがちです。口の中を清潔に保つためにこまめな歯磨き、うがいを心掛けましょう。 (4)食事中はよく噛んで食べることを心掛ける 噛む回数が減ると、唾液の分泌量が減少します。噛む回数を増やすことで唾液の分泌量は多くなるので、食事をするときは噛む回数を増やすことを意識しましょう。 (5)室内の乾燥を防ぎ、掃除や換気をこまめに行う 室内の乾燥やハウスダストなどのアレルギーが原因で鼻呼吸がしづらくなり、口呼吸が増えると口腔内が乾燥しやすくなります。部屋の湿度を保ち、掃除や換気も心掛けましょう。 (6)会話を活発にする 会話の中で笑ったり表情を豊かにすることで表情筋が活発になり、唾液腺が活発になる効果があります。歌ったりすることも効果的です。 ドライマウスのクリニック治療 ドライマウスの疑いがある場合は、歯科医院で相談してみましょう。診断の結果ドライマウスだった場合は、唾液とほぼ同じ成分のサラサラした液体「人工唾液」を口の中にスプレーしたり、保湿ジェルや夜間の口の乾燥を防ぐマウスピースなどを使用して治療していきます。(歯科医療機器) ドライマウスが気になる人は重度の症状に陥る前に、一度相談してみてはいかがでしょうか。
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今さら聞けない?! 歯を抜いてそのままにしたら…

口の中の歯が修復不可能なほどダメージを負った時には、残念ながら抜かなければなりません。前歯は見た目の問題もありそのままにすることは、あまりないでしょうが、奥歯となるとまだ他の歯で咬めるためか、1本だけ抜いたままにしているケースを時々見かけます。 一見、そのままでも何の支障もないように思いますが、時間の経過と共に後で苦労することもあるのです。抜いてしまった歯をそのままで放置すると何が起こってくるのか、解説したいと思います。 そのままにしておくとトラブルの元に… よくあるのは、歯医者さんが苦手なため、我慢ができないほどの痛みが出るまで虫歯を放っておいて、すでに手遅れになってしまうケースです。 歯を抜いて痛みがなくなったら、「1本無いけどそれほど不都合なく使える。」と考え、それ以後の歯医者さんでの治療がストップしてしまう…というのがもっとも多いようです。 抜いた歯をそのままにすると… 奥歯の1本がなくなるだけでその周りの歯が動きます。 かみ合わせる相手がいない歯が伸びてくる 上下で咬むことができなくなった歯が、抜いて無くなったスペースを埋めるように伸びてきます。ひどくなると上の歯が下の歯の抜いた部分の歯肉にぶつかるまで伸びてくることもあります。 骨も一緒に伸びてくる 歯だけが伸びるのではなく、歯の周りの骨も一緒になって伸びてくるため大きなコブのように歯肉が見えるようになってきます。(歯科矯正器具) 両隣の歯が傾いてしまう。 抜けてしまった歯の周りが動く 時間が経つとどんどん動いてブリッジなども作れなくなることもあります 両隣の歯が、歯のなくなったスペースに倒れるように傾いてきます。 ブリッジを作りにくくなる 歯を抜いて何年も経過してから、歯の抜いた部分に「ブリッジ」を作ろうとしても、スペースが無くなりきれいに作れなくなります。 他の歯も傷みやすくなる 歯が1本少なくなれば、その分、他の歯に余分な力がかかり、傷みやすくなります。 抜いた部分をそのままにすると、時間の経過と共に治すことが困難になってきます。まれにそのままでも問題ないこともありますが、できれば歯医者さんに行って確認することをお勧めします。 抜いた後の治し方は… 基本的な治療の方法は、大きく分けて次の3つです。 ブリッジ 一般的にもっとも良く使われるのが、このブリッジです。抜いた部分の前と後ろの歯の形を削って修正して、3本の歯を一つの塊で作ることによって歯の形を元に戻します。奥歯では金属色のみ健康保険の適応内となります。 入れ歯 外れると飲み込んでしまう恐れがあるため、あまり作られませんが、1本だけ入れ歯も作る事はできます。健康保険の適応内です。 インプラント 手前の歯と奥の歯を両方とも削ることなく抜いた部分のみ治療可能です。骨に直接チタンの根を埋め込んでその上に歯を作ります。健康保険の適応がありませんので自費治療となります。(口腔外科用マイクロモーター) どの方法を選択するかは、それぞれにメリットやデメリットがあるので、実際に治療する医院で納得するまで説明をしてもらうことをお勧めします。
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入れ歯で美味しく食べるために~総義歯~

総義歯とはなに? 上の歯ぐきに使用する総義歯 上の歯ぐきに使用する総義歯 総義歯とは、自分の歯が1本も無い人が使用する入れ歯のことです。「平成23年広島県県民健康意識調査」では80歳以上の方のが、自分の歯が全く無いとアンケートに答えています。 総義歯は歯科医院で歯ぐきの型をとって、一人一人 のお口にあったものを作り、うまく使いこなすことができるように調整します。ここでは正しい使い方やその限界なども説明します。(口腔模型) 総義歯を使用する利点 歯がそろって、食事がしやすくなり栄養状態が良くなる 食事することが楽しくなり、食生活に対して前向きな気持ちになれる 噛み合わせが安定して、身体の運動能力が向上する 失われた歯や歯ぐきが義歯によって再現され、顔の雰囲気が若返る 総義歯を使用することで、不明瞭だった発音が良くなる 以上のように高齢になり、乳歯・永久歯すべてを失っても、第3の歯として総義歯を使用することでQOLが向上します。 自分の歯がある人とは違う点 自分の歯(天然歯)で噛むときの力は最高で20kg程度といわれています。ところが、総義歯を使用して噛むときの力は最高で6kg程度といわれています。残念ながら、総義歯で噛む力には限界があり、自分の歯で噛む人と比べて噛む力は1/3程度です。 ① 調理方法の工夫 特にまだ総義歯を使用することに慣れていない場合は、噛むときに抵抗がなく小さく切った軟らかい食べ物(豆腐、うどん、卵料理、煮た野菜、おかゆ等)から食べてみましょう。総義歯に慣れてからも、あらかじめ食べ物を包丁で刻んだり(刻み食)、切れ目を入れておいて食べやすくしておくことも大事です。わかめやレタスなど厚みが薄い食べ物も食べにくいので、調理方法を工夫してみましょう。 ② 食べ方の工夫 一口量を少なくして、噛むことが負担にならないようにしましょう。そして食べ物を噛み切るときは、前歯の真ん中より唇の端の方(犬歯・小臼歯)に食べ物を乗せて噛み切るようにしてみましょう。総義歯は、前歯で噛むと外れやすい特徴があります。 ③ 義歯に慣れるために 新しい総義歯を使用して満足に噛めるようになるには、通常少なくとも1~2ヶ月はかかります、その間は練習期間と思ってください。ただ、なかなか慣れなかったり、総義歯を使用して痛みがあるようなときは、がまんしないでかかりつけ歯科医に相談しましょう。義歯の調整と使用上のアドバイスをしてもらい、かかりつけ歯科医と一緒に総義歯に早く慣れるように努力してみましょう。 ④ 総義歯の使用上のアドバイス 古くなったり合わなくなった総義歯を使用していると、歯ぐきを傷つけたり、場合によっては歯ぐきがやせてしまうこともあります。現在総義歯を使用されている方もお口にきちんと合っているか、かかりつけ歯科医院でチェックしてもらいましょう。歯が全て失われた方も、楽しくて美味しいと感じる食事をしていただき、QOLが向上することを私たち歯科医師は願っています。(口腔外科用マイクロモーター)
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白い前歯を手に入れた箕輪はるか。挑戦した「ブリッジ」ってどんな治療?

お笑いコンビ「ハリセンボン」でおなじみの箕輪はるかさんが、黒くなった前歯を白くしたということで注目されています。小学生のときに転んで前歯をコンクリートに打ち付け、歯の神経が死んでしまったという箕輪さん。母親に治療を勧められたものの遠慮してしまいできなかったそう。 そんな箕輪さんが今回臨んだのは「ブリッジ」という治療法です。いったいどんな治療なのでしょうか? 「ブリッジ」ってどんな治療? 「ブリッジ」とは、虫歯や歯周病などが原因で抜歯した人が行う治療法のひとつです。歯を抜いたままにしておくと、隣の歯が傾いたり噛み合わせが悪くなったりしてしまうもの。それを防ぐため、抜いた歯を補うものとして「ブリッジ」という方法が使われます。 ブリッジは抜いてしまった歯の人口歯(ポンティック)を作り、両隣の歯にかぶせて人口歯を支えるというもの。人口歯に前後2本の歯をかぶせるため、3本分の治療費が必要になります。治療期間は早ければだいたい2回ほどで終わります。治療の流れは次の通りです。 1:弱った歯を支える前後2本の歯を「ブリッジ」が入る形に削る 2:削った歯の土台の形をとる 3:上下のかみ合わせをとる 4:1~2週間で完成 5:できあがったブリッジを口の中で調整する 6:セメントでつけて固まるまで待つ ブリッジを作る期間は、金属であれば1週間、セラミックにするなら1~2週間ほどで完成するようです。 「ブリッジ」のメリット ブリッジは歯を土台にしているため、周りの歯と同じ感覚で食事を楽しむことができます。また、歯茎を切ったり骨につなげたりせずに治療を行うため、糖尿病や高血圧の人でも安心して受けることができます。ブリッジはしっかり接着剤で固定するため、取れてしまうという心配もありません。(歯科 口腔内カメラ) 「ブリッジ」のデメリット ブリッジのデメリットは、抜歯した前後に歯がないとできないこと。また、土台となる歯が健康であっても削ってしまうため、歯の量が少なくなってしまう面もあります。前後2本の歯が、人口歯を支える必要があるため、割れてしまったり揺れてきてしまったりする恐れも。人口歯以外の歯への負担が大きいのがブリッジのデメリットです。 ブリッジには保険適応の材料もある! 気になる治療費ですが、ブリッジをする場合、両隣の歯の治療費用や人工歯の費用を含めて20~33万円が相場だと言われています。ただ、ブリッジには保険適応の材料もあります。これは、「臼歯部のメタルのブリッジ」と「前歯のレジン前装冠」と呼ばれる唇側の見えるところは白い材料で裏側が金属のものは保険が適応されます。 この場合、部位にもよりますが上顎前歯部の3本の例で約2万円の自己負担で行うことができます。表面は白色のものになるため、審美的にはそれほど劣りません。 美しい歯で自分に自信を! また、箕輪はるかさんの場合は抜歯をしてブリッジを行っていましたが、歯の神経が死んで変色していただけの場合に抜歯することはほとんどありません。通常は、もとの歯に歯に被せものをすることがほとんどです。自分の歯がどのような状態であるのはか、歯科医院でよく相談してから考えましょう。美しい歯は自然と笑顔になります。美しい歯を手に入れて自信をもって毎日を送りたいですね!(ホワイトニング機器)
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副鼻腔炎によって起こる歯痛の症状/原因と虫歯との違い

風邪をひいたり、花粉症による副鼻腔炎になると歯も痛いように感じてしまう方も多いのではないでしょうか。副鼻腔は上顎と頬、鼻に囲まれた空洞です。実は副鼻腔は上顎の歯に近く、副鼻腔炎になると上顎の奥歯が痛くなることが多いのです。虫歯と思って歯医者に行ったら副鼻腔炎が原因だったなんてことも多いのです。今回は副鼻腔炎によって起こる歯痛の症状と虫歯との違いについてお伝えします。ぜひ参考にしてください。 1.副鼻腔炎によって起こる歯痛の症状 1−1.歯の痛み、噛んだ時の痛み、歯の根元の痛みなどの症状が出る(超音波クリーナー) ・何もしなくても出る強い痛み 副鼻腔炎によって、根の先や神経を圧迫したりして激痛が出ることがあります。副鼻腔炎が改善されれば治ることが多いのですが、痛みが強いために虫歯の痛みと間違われることもあります。 ・噛んだ時に出る痛み 副鼻腔炎によって歯の周りにある歯根膜(しこんまく)という器官に炎症が広がり、噛んだ時に痛い感じがします。歯根膜は何かを噛んだ時に硬い、軟らかいなどを判断する器官です。 ・歯が浮いた感じがする 副鼻腔炎によって根の先に圧力が加わり歯が押し出されるように浮いた感じがします。かみ合わせなどの調整はせずに、副鼻腔炎の治療をすることが必要です。 1−2.上顎の奥歯に歯痛が起こる 副鼻腔炎になると上顎の奥歯全体が痛くなることがあります。上顎の奥歯の根は副鼻腔に入り込んでいることが多く、副鼻腔炎になると炎症が根の先から伝わり、上顎の奥歯が痛くなります。 1−3.1本の歯ではなく2、3本の歯痛がある 副鼻腔炎になると虫歯のように1本の歯ではなく2、3本の歯に歯痛が出ます。虫歯が原因の場合、1本の歯に痛みやしみる症状が出ます。しかし、副鼻腔炎が原因の場合は副鼻腔に根が接している歯に歯痛が出るため、2、3本の歯に歯痛の症状が出ます。 上顎洞 1−4.左右どちらかに歯痛があることが多い 副鼻腔炎は左右両方に起こりますが、歯痛は急性化した左右どちらかに出ることが多いです。稀に両方同時に痛みが出ることもあります。 1−5.神経がある歯に歯痛が出ることが多い 副鼻腔炎によって起こる歯痛は神経がない歯よりも、神経がある歯に多くおきます。副鼻腔炎の炎症が根の先から歯の中に刺激を与え、歯痛が出ます。普通にしていても痛い症状は神経のある歯に起きやすく、噛んだ時の痛みは神経の有る無しに関わらず起こります。(歯科レントゲン) 1−6.花粉症による副鼻腔炎でも歯痛が起こる 副鼻腔炎は慢性のものや急性のもの、花粉症などが原因のものなどがあります。春の時期になると花粉症による副鼻腔炎が増え、それに伴い歯痛が出る人も増えます。 2.歯痛以外の副鼻腔炎の症状 2-1.頭痛 副鼻腔は上顎から目の下まで広がっている空洞です。そこに炎症が起こると周りの神経や血管を圧迫し、頭痛を引き起こすことがあります。 2-2.目の奥の違和感 副鼻腔は目の下まで広がっているため、副鼻腔炎になり膿などが目の下までたまってしまうと、目の下の骨を押し上げるため、痛みや違和感を感じることがあります。 2-3.動いた時ひびく 副鼻腔に膿などが溜まると走ったりした時に膿が揺れ動き、上顎の上のあたりが響く感じがします。 2-4.鼻づまり 副鼻腔炎になり膿などが溜まると、鼻で呼吸する通り道をふさいでしまうため、鼻で呼吸ができなくなります。 2-5.口臭…
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歯の神経が「突然死!」に見舞われるとき

最近ちょっと歯の色が気になるな~。神経は取ったことも無いのに、どうしてこの1本だけ色が違うんだろう? そんな風に思って病院に行くと、歯の神経が死んでいるとのこと。今回は歯の神経の自然死について、ガイドが解説します。 そもそも神経が死んだ状態とは? 歯に神経が死んだ状態 神経を取った歯のように、色が明らかに暗く見える。(正面右) 一般的には、歯の内部にある「歯髄」と呼ばれる組織全体が、機能しなくなった状態をいいます。痛みがほとんど起こらないで、歯の内部の歯髄が死んでしまう自然死は、主に次のようなことが原因です。 以前の治療の影響 比較的多く見られるのが、以前虫歯の治療の際、神経にごく近いところまで、虫歯が進行していたが、その時は歯の神経を取らずに保存して、詰め物などで穴を埋めてある場合。 治療後に神経近くに潜伏していたごく少量の虫歯菌によってゆっくりと歯の神経を蝕むため、それほど痛みを感じずに数年後に神経が死んでいることがあります。(歯科 根管治療) 打撲など機械的刺激の影響 口元を強く打ち付けたり、物がぶつかったりして、歯に強い衝撃が加わったりすると、その時は痛みが落ち着いたとしても、しばらくしてから、神経が死んでいることがあります。 歯の神経が機能しなくなると、歯自体の痛みは感じなくなるので、自覚症状が無くなります。しかし、ほかの歯に比べて、色が変色したように暗く、表面がくすんだようになるなど、歯の神経を取った時と同じような色の変化が起こってきます。 治療しないで放置すると…… 骨を溶かし、内部に膿を溜め込んでいることもある 自覚症状がほとんど無いため、自分で気がつくことは 少なく、歯の表面の色が気になって、病院を訪れた際に レントゲン撮影で、初めて発見されることがほとんどです。 普通、歯の内部の神経などが入っている空間は、歯髄でしっかり満たされていますが、歯の神経が死んでいると空間はそのままで、神経が溶けて液状化したり、逆に乾いて凝固したり容積が減少します。 その際歯の内部にできた空間が感染を起こすと急に痛みが生じたり、歯の根の先に、袋状の膿みだまりができたりします。 実際の臨床では、神経が死んでいるのが確認できた時は、すでに膿などが内部に溜まっていることが多いので、痛みが無かったとしても歯の内部に穴を空けて腐っている神経の残骸を綺麗に取り除き内部を無菌化して埋める必要があります。 痛みが無いからといって放置をしておくと、ゆっくりと慢性状態で炎症が進行し、根の先に大量の膿を溜め込みます。そしてある日、体調不良や機械的刺激などの少しのきっかけで、それまでの痛みの無い慢性状態から、強い痛みや腫れを伴う急性状態へと変化することがあるので注意が必要です。(コントラアングル)
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その汚れが口臭や虫歯の原因に!?磨き残しを防ぐ歯磨きテクニック3つ

毎日の歯磨き、自分ではきちんと磨けていると思っていても、多くの人が完璧には磨けていないようなんです。口臭やむし歯の原因になる磨き残しを防ぐためには、歯ブラシを正しく持って、一歯ずつ磨き、タフトブラシで仕上げをすることがポイントのようですよ! ■意外と多い歯の磨き残し ライオン株式会社の調査によると、普段からむし歯ケアの意識が高いと自信のある人でも、思っているほど歯磨きが十分でなく、むし歯のリスクを抱えていることが明らかになりました。また磨き残しは20~30代に多く、約9割もの人がしっかりと磨けていないのが実情のよう。 ■磨き残しを防ぐ歯磨きテクニック3つ (1)歯ブラシを正しく持つ 前歯や下の歯の噛み合わせを磨くときは「毛先を自分の方に向けた磨き方」を意識しましょう。また、上の歯の裏側や、上の歯の噛み合わせを磨くときは「毛先を外側に向けた磨き方」を。歯の場所によって持ち方を変えることで、ブラシを歯にフィットさせることができます。(音波電動歯ブラシ) (2)「一歯ずつ磨く」ことを意識 豪快にゴシゴシ歯を磨けば、「磨いた気分」にはなりますが、細かい部分は磨けていないことも多々。鏡を見ながら一歯ずつ磨き、歯や歯茎の境目なども小刻みに動かして汚れを落とすようにしましょう。 (3)「タフトブラシ」が便利 歯並びが悪い部分や奥歯の奥などはどうしても磨きにくく、無理やり磨こうとすると歯ぐきを傷つけて血が出てしまったりもします。磨きにくいところには、毛先が届きやすいコンパクトな「タフトブラシ」を使って、ピンポイントで磨くのがおすすめ。磨き残しが一気に減り、口臭などのストレスも軽減されるので、使ったことがない人はぜひ一度お試しを。 ちょっとした歯磨きテクニックを意識すれば、自己流では磨き残してしまっていた部分も、ピカピカになりそうですね。(ホワイトニング機器)
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大根おろしで歯茎の腫れを改善!歯槽膿漏の症状を和らげる方法

はじめに 歯茎の腫れや膿み…歯槽膿漏の症状に悩んだ時、少しでも自宅でできる対処かあればいいですよね。 ここでは、著者が実践している歯槽膿漏の対処法をご紹介します。 著者の症状 著者は出産後歯茎の腫れが気になり始め、初期の歯槽膿漏と診断されました。 半年に一度受診をしていますが、突発的に腫れてしまったときは以下の方法を試しています。 用意するもの 大根(写真は丸大根、長大根でも可) 塩 おろし金 ふきん 大根おろしで歯茎の腫れを抑える方法 STEP1:大根をおろす おろし金で大根おろしを作ります。大さじ1程度の量があれば大丈夫です。 STEP2:絞る ふきんなどで水気を絞ります。 この際、滅菌ガーゼなどを使えば、そのガーゼ自体も湿布として打ち身や歯茎の痛みに使えます。 STEP3:塩と混ぜる 大根おろしの搾りかすに、塩をひとつまみ混ぜます。 STEP4:塗布する 腫れている部分に塗布します。唇で押さえるようにして2〜3分おき、口をゆすぎます。 感想 1日3回、毎食後行いました。3日ほどで膿が出て、きれいになりました。(超音波スケーラー) それ以来突発的な腫れはこれで対処し、通院もしていますが最近は歯石の掃除だけで済んでいます。 おわりに いかがでしょうか。歯石の掃除などはなかなか家でできないので、歯茎が腫れやすい人は半年に1度は歯科医に出向かれたほうが良いかと思いますが、突発的な腫れにはこの方法で対処できます。 覚えておくと役に立ちますよ。この記事が少しでもお役に立てば幸いです。
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【インプラント周囲炎】人工の歯だから大丈夫という油断が引き起こす病気

【インプラント周囲炎】人工の歯でも容赦なく襲う病気 歯周病を起こし、無くなった歯の再生治療として“インプラント治療”は有効手段です。 歯が無くなった部分にフィクスチャー(ネジ)を植え込み、人工の歯をかぶせるので、また噛む喜びや食べる喜びを感じる事ができます。しかも、顎骨に直接結合しますので歯根と同じ役割をし、より本物に近い義歯を手に入れることができます。(歯科用高圧蒸気滅菌器) しかし、インプラント治療をしたからと言っても、永久的に大丈夫というわけではありません。ケアを怠り放置しておけば、やがてその歯を失いかねない事になります。 『インプラント周囲炎』という病気になってしまうのです。 口の中は、常に細菌が存在していますので、ケアを怠ると菌の働きは強まります。そして、それは天然の歯・義歯問わず容赦なく襲い蝕んでいきます。 その結果、せっかく植えた義歯を失う事もあるのです。 「インプラントだから大丈夫」という油断が招いた、悲しい結末になってしまうのです。 原因は歯周病菌の浸食とプラーク インプラント周囲炎は『ケアを怠った事』が引き金になります。 この原因を作っているのが、プラークに潜む歯周病菌です。この菌は歯周病を引き起こす細菌で、放置しておくと、どんどん増殖し歯や歯の周辺を蝕んでいきます。 そして、この細菌は“インプラントだけ浸食しない”という様な事は決してしないのです。 天然の歯や人工の歯であっても、容赦なく襲います。 口の中で増殖し菌にとって好環境な状態が続くと、インプラントやその周辺に菌が浸食し、気が付いた頃には取り返しのつかない事になる場合もあります。 インプラント周囲炎にさせない3つの方法 せっかく植え込む事ができた義歯を、台無しにしない為にはどうしたら良いでしょうか? 3つの点に気を付けて、インプラント周囲炎を防ぐことができます。 方法1 丁寧な歯磨き インプラント周囲炎予防の第1歩は、何と言っても『歯磨き』です。丁寧な歯磨きをして歯垢(プラーク)を、残さない様にしましょう。そして、細菌が繁殖しにくい口腔環境を作り上げましょう。 丁寧な歯磨きを欠かさず行なう事で、インプラント周囲炎の元を断つことができます。 方法2 歯医者での専門的予防 丁寧な歯磨きをしても、歯垢(プラーク)は残る事があります。しかも、歯間など歯磨きが難しい所は、なかなか歯垢を取り除く事は出来ません。それが原因でインプラント周囲炎になってしまえば、せっかくの義歯を失う事になりかねません。インプラント治療をしたのであれば、定期的に歯医者に行って歯垢を除去してもらいましょう。 さらに、かみ合わせの調整もしてもらいましょう。 専門科による施術で、インプラント周囲炎の発症を防ぐことができます。 方法3 喫煙をしない 喫煙者は非喫煙者に比べて、3倍以上も歯周病の発症率が高いと言われています。喫煙する事で口腔状態は、歯周病菌にとって好環境になります。例えば、喫煙による低酸素状態や白血球の機能低下、歯肉を修復する機能の低下など、喫煙は何一つ良い事はありません。 歯磨きや歯医者による予防を行なっていたとしても、喫煙で歯周病の増殖を助けてしまえば全くの無意味なのです。インプラント周囲炎を防ぎたいのであれば、喫煙しない事が一番です。(オートクレーブ 歯科) 3つの方法で見事にインプラント周囲炎を予防する インプラント周囲炎は、インプラント治療をした人が必ず発症させるものではありません。日頃からのケアをしっかりと行なっていれば、炎症を起こす事も歯を失う事も無いのです。…
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歯茎が下がってきたら要チェック!歯科医が教える「歯磨きテク」3つ

そこで今回は、富山県小矢部市で『渡辺歯科医院』の院長を務める渡辺智良先生に、下がった歯茎 を戻す歯磨きテクを教えてもらいました。歯茎が下がる原因についても教えてもらったので、併せて参考にしてみてください。 ■1:歯垢による炎症で歯茎が下がっている場合 歯周炎とまでは行かなくても、歯肉炎で歯茎がはれてしまっている人はいませんか? 歯茎のはれ(歯肉炎)を放置していると、歯茎がやせて(下がって)しまうそう。 歯茎の炎症は歯垢(プラーク)の掃除が不十分なため起きているので、渡辺先生によれば、「歯と歯茎の境目のプラークをしっかり落とし、歯と歯茎の境目を中心に10~20往復、横にこすってください」とのこと。 「炎症がなくなれば、自然と歯茎は回復」するそうなので、炎症が出ている人は丁寧に歯と歯茎の境目を清掃してくださいね。放置していれば深い歯周ポケットができて、歯周炎になってしまうかも……。(口腔内カメラ) ■2:ブラッシングが強過ぎるために歯茎が下がっている場合 「歯と歯茎の境目の歯垢を落とさなければ駄目」と言っても、強過ぎるブラッシングはNG。歯並びなどの影響で歯茎の一部が他より薄くなっている場合もあるそうで、そうした弱い部位を強くブラッシングしてしまうと歯茎が下がってしまうとか……。 「どうしても力が入ってしまう」と言う人に渡辺先生は、「スタートとして、歯と歯茎の境目に歯ブラシを当て、横に往復せずに下から上、下から上と片道1方向で、ブラシを持ち上げるように磨いてください」とアドバイスをくれました。 歯茎を傷めない磨き方を続けているうちに、自然と歯茎は戻ってくるとのことです。一度自分のブラッシングが強過ぎるかどうか、かかりつけの歯科医師に見てもらうといいかもしれませんね。 ■3:歯並びが悪くて歯茎が下がっている場合 歯並びが悪くて、1本だけ列から飛び出した歯がありませんか? 八重歯などはその典型例ですが、実はそうした前に飛び出した歯の歯茎は、他よりも一般的に薄いので、注意せずに強く歯磨きをしているとやせてしまうそうです。 「ゴシゴシとこすらず、歯茎を傷付けないで磨いてください」と、渡辺先生。具体的な磨き方は、2番で紹介した下から上に一方向で磨く方法ですね。(歯科ホワイトニング機器) それでも歯茎が戻ってこない場合は、歯科矯正で出っ張った歯を列に戻したり、保険診療で歯茎の移植を行ったりする手もあるとか。どうしても気になる場合は、かかりつけの歯科医師に相談したいですね。 以上、下がった歯茎の原因と歯磨きテクをまとめましたが、いかがでしたか? 美しい笑顔のためにも、歯茎美人を目指してみてください。
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