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神経質になりすぎないで!おしゃぶりと歯並びの関係と注意点

おしゃぶりを長く続けていると「出っ歯になる」「歯並びが悪くなる」と聞いて不安に思う方も多いのではないでしょうか。 おしゃぶりや指しゃぶりは赤ちゃんにとって、ごく自然な行動ですのであまり神経質になりすぎる必要はありません。 そこで今回は、おしゃぶりが歯並びに与える影響と使用の注意点について説明しますので、ぜひ参考にしてください。 1.おしゃぶりが歯並びに与える影響 おしゃぶりは使い方によっては、歯並びや口腔内に悪い影響を与えてしまう可能性があります。歯並びに与える影響としては、3つの症状があげられます。 1-1.上顎前突 おしゃぶりを吸い続けることで、上の前歯が突き出るケースがあります。 1-2.開咬 1-3.交叉咬合 2.やめれば歯並びは改善されるのか おしゃぶりを止めれば噛み合わせの異常は改善しやすいと言われています。 あくまで可能性であり、確実に改善される保証はありませんが、赤ちゃんがおしゃぶりを加えた際に、吸い口の根本は歯や上顎に当たり、おしゃぶりを吸っているときは、舌を下から上に動かしていて、その動きはおしゃぶりを前へ押し出すように力が加わっています。 その力が歯並びに悪影響を与えるので、おしゃぶりを止めれば噛み合わせの異常は改善しやすいと言われています。 3.おしゃぶりのメリットデメリット 使用することで赤ちゃんが安心する、簡単に泣き止んだり静かになる、寝つきが良くなるなど精神的に安定させることができます。歯科矯正器具 外出先で赤ちゃんがぐずり始めたとき、母乳やミルクを与えられない状況でもとりあえずおしゃぶりを与えることで落ち着かせられることは親の育児のストレスも軽減するでしょう。乳幼児の突然死のリスク軽減効果や、「顎・歯の成長を促して、鼻での呼吸を促す」など肯定的な意見もあります。しかし、これらのことははっきりした医学的な根拠はありません。 4.おしゃぶりを使用する時の注意点 おしゃぶりをやめさせようと急に取り上げると精神的に不安定な状態になりやすく、指しゃぶりに移行することが考えられます。 指しゃぶりについては取り上げる方法がないので、最初のうちは様子を見ながら自然に止めるのを待ちましょう。他のおもちゃで遊ばせながら、おしゃぶりに触れる期間を少しずつ短くしていきましょう。 成長の過程にあわせてあげましょう。子供は成長するにつれて色々なことができるようになりますから、自然に興味・関心もおしゃぶりや指しゃぶりから離れていくものです。 まとめ 基本的には『おしゃぶりは使わない!』が理想です。 しかし赤ちゃんはもともと胎児期には母体内で指しゃぶりしているので、乳児の指しゃぶりは自然の行為であると考えられます。 それに代わるおしゃぶり行為は、おしゃぶりの特性をよく理解し、正しく使い、適切な時期に卒業することで、親子のふれあいをサポートする便利なアイテムの一つになることでしょう。 おしゃぶりを使用している間も声をかけたり一緒に遊んだり、子供とのふれあいを大切にしま
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指しゃぶりは歯並びを悪くする?

“指しゃぶりをすると歯並びが悪くなる”子育て中の方は、きっとこんなフレーズを耳にされたことがあるのではないでしょうか。現代では歯列矯正をする人も多く、お子さんの歯並びについて心配される方も少なくありません。赤ちゃんの時から始まる「指しゃぶり」。いつまで続け、卒業するのかは個人差があり、一人一人違います。一体、何歳ぐらいまでなら指しゃぶりを続けても良いのでしょうか?今回は、いつやめさせた方が良いのか、放って置いても良いのか悩んでしまう、「指しゃぶり」と“歯並び”の関係についてお話していきます。 指しゃぶりは何のため? そもそも、私達人間が赤ちゃんの頃から自然と「指しゃぶり」をするのは何故なのでしょうか? 赤ちゃんは、生後二~三カ月ごろから「指しゃぶり」(吸啜反射)を示します。お腹の中にいる時からしていることもあるそうです。これは本能的なもので、1~2歳くらいまではごく普通に見られます。 赤ちゃんの“唇に何かが触れると吸う”という本能的な行為は、おっぱいを吸うためであったり、何となく落ち着いたり安心したりするため、そして最も敏感な器官である口で色々なものを確認するため、だと言われています。確かに、赤ちゃんを見ていると指だけでなく足までしゃぶったり、掴んだものは何でも口に持っていったりしますよね。指しゃぶりも五感の発達の一過程で、ごく自然な現象です。ですから、この時期に指をしゃぶることについては、全く心配いらないでしょう。 指しゃぶりの原因 それでは、すくすくと成長し乳幼児から幼児になっても「指しゃぶり」をするのはなぜでしょうか。これに関しては、欲求不満、家庭環境、親子関係、単なる癖として残っているなど様々な説があります。その子によっても一人一人理由は違うでしょう。以下に、原因として考えられることをあげていきます。 ■ 指をしゃぶることが習慣になっている 昔からの習慣として残ってしまう場合があります。 ■ 指を吸うことで満足・安心する おっぱいを吸っていた時のような安心感が得られるため行う場合もあります。 ■ 子どもの生活環境 都市化・少子化・核家族化された環境により習癖化されてしまうこともあります。 ■反射行為 本能的な反射行為として口に入ってきたものを吸っていることも考えられます。 ■精神的に不安定なストレスがある 何かに不満・不安がある時、寂しさ◾愛情に飢えている時などに現れることがあります。 このように色々なものが考えられますが、取り除ける原因であれば、それを取り除くことで指しゃぶりが治まっていくこともあります。まずは原因となっていることがないか、お子さんをよく観察したり、今までのことを思い返したりしてみて下さい。 指しゃぶりの歯並びへの影響 指しゃぶりを続けていると、一体どんな歯並びになってしまうのでしょうか。一口に“歯並びが悪くなる”と言っても、その乱れ方は様々です。ここでは、指しゃぶりが原因と思われる歯並びの乱れ方について見ていきましょう。 ■開咬(かいこう):上下の前歯がかみ合わない状態 ■上顎前突(じょうがくぜんとつ):上の歯が前に出た(いわゆる出っ歯)状態 舌で前歯を押す癖によって起きる開咬や、出っ歯になると、上下の唇が閉じにくくなってしまいます。上手く口が閉じられなくなった締りのない口元は、だらしない印象を与えてしまうこともあります。 ■交叉咬合(こうさこうごう):上下の歯を噛み合わせた時に、上下の歯列が左右にずれている状態 交叉咬合になると、奥歯で物を強くかんだり、歯を食いしばったりすることができなくなってしまいます。 こうした歯並びの乱れは、見た目だけでなく、歯本来の“噛む” という役割にも影響を及ぼしてしまいます。一度乱れた歯並びを整えることは、時間も費用もかかりますし、決して簡単なことではありません。親心としては、防げるものは防いであげたいですよね。…
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もしかしてウチの子歯並び悪い…?歯科医ママが教える「1~3歳向け年齢別歯並び」チェックポイント

卒園式や入園式といった時期は、子どもの写真を撮る機会が増えますよね。写真を見ていて、ふと気になるのが子どもの歯並び。「あれ、もしかしてうちの子、歯並び悪いのかしら?」なんて気になっているママもいらっしゃるかと思います。 でも、小さな子どもの歯並びは、一体どのようなタイミングで相談したらいいのか、よく分かりませんよね。 今回は、ママ歯科医である筆者が、“年齢別子どもの歯並びチェックポイント”についてお伝えします。 ■ 1~3歳の年齢別歯並びチェックポイント ・1歳 この時期で心配なのは、歯の本数です。前歯2本がくっついている癒合歯(ゆごうし)が生えてくることもあります。この場合、後に生え変わる永久歯も癒合するかどうかは、まだ分かりません。この時点ではくっついた箇所が、むし歯になりやすいので、気をつけましょう。 1歳半歯科健診では、むし歯や歯並び、咬み合わせのチェックを受けましょう。 ・2歳 2歳のお誕生日の頃は16本生えている子が多いです。2歳半頃から、1番奥の第2乳臼歯が生え始めてきます。奥歯が生えそろうまでは、咬み合わせは不安定なので、様子を見ていきます。 指しゃぶりやおしゃぶりで、前歯の出具合が気になる場合があります。おしゃぶりは2歳のお誕生日に卒業をオススメしています。指しゃぶりは、4歳頃まで様子を見ていきましょう。 ・3歳 乳歯が全部生えそろう時期。これまでよくわからなかった、歯並びや咬み合わせの異常も判明してきます。 歯と歯の間に隙間がなく、狭くてデコボコと並んでいる(叢生)場合は、噛みごたえのある食材を使ったり、よく噛んでから飲み込むようにしましょう。よく噛むことで、歯の生えている顎の骨の成長につながります。歯と歯の間に隙間があると、生え変わりもスムーズです。 ■歯医者さんに「歯並び」を相談するタイミングは? では、どんなときに咬み合わせや歯並びの相談をすればよいのでしょうか。 もちろん、心配な点があれば“いつでも”相談して大丈夫です。 3歳までの小さな子どもの歯並びは、まずは小児歯科でチェックしてもらい、必要があれば矯正歯科を紹介してもらうという流れがスムーズかと思います。赤ちゃんの頃から通い慣れた歯科医院で、むし歯のチェックとともに、小さな頃から咬み合わせも診てもらうと、子どもも慣れた環境なので、ママも相談しやすいかと思います。 次のような咬み合わせの場合は、ママが気づいた段階での受診をオススメします。 (1) 咬み合わせが逆の「反対咬合」(はんたいこうごう) 下顎が上顎よりも前に出ている状態です。歯の生える方向のせいなのか、顎の大きさの問題なのか、家族にも同じような咬み合わせの人がいるかどうかなど、背景に隠れている問題は様々です。小児歯科の専門医や矯正歯科の専門医で、様子を見ていてもいいのか、治療のタイミングなどを相談すると安心です。 (2) 下顎が横にずれた状態の「交叉咬合」(こうさこうごう) 片方の咬み合わせだけ上下の咬み合わせが逆になった状態です。この状態が続くと、顎の成長方向に影響が出る可能性や、顔の形が非対称になるおそれがあります。まずは、小児歯科の専門医や矯正歯科の専門医の診断を受けましょう。この咬み合わせの場合は、小児歯科では早めの治療をオススメしています。歯模型 いかがでしたか? 最近は、むし歯だけでなく、小さな子どもの歯並びや咬み合わせの相談が増えてきていると感じます。 咬み合わせや歯並びに少しでも不安を感じたら、まずはかかりつけ医に聞いてみましょう。そのためにも、歯が生えてきたら歯医者さんデビューして、定期的に歯並びや咬み合わせもチェックしてもらうと安心ですよ。
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