Archives for 歯科病院

根管治療の革命

オフィスにはたくさん先進的機器や薬剤はあるけど…。どんな薬剤や最先端医療機器を使おうが基本で必須はマイクロスコープ顕微鏡歯科治療でなければ始まらない。 学生時代は根管治療ほどつまらない学問はないと感じていた。マイクロスコープがなかった時代は全ての歯科医師の根管治療は天井を見ながらもしくは目をつぶりながら指先の感覚だけを頼りに根管治療根管長測定器をしていたからだ。今となってはレントゲンだけで神の手と目があるかの如く何もかも分かったかのように自慢する歯科医師や電気的根管長測定器すら使っていない歯科医もいた多くいた時代である。どんな科学的なことを語られようが全く見えていない指先の感覚だけの治療には興味はわかなかった。 2000年代に入りマイクロスコープ顕微鏡歯科治療が普及し始めると未知だった世界が見えるようになった。根管の中が見ながら治療出来るようになり、根管拡大形成用ファイルマイクロがないそれまでの時代は歯をブチ抜いて『ネジコロインプラント』をネジネジブチ込みましょうという歯が、いとも簡単に誰でも治せるようになり(治せない歯もたくさんありますよ)自分の興味は顕微鏡歯科治療の可能性を追求することへと移り変わった。 この患者さんは何年もの長いあいだ歯肉から膿みが出てニキビのようになり悩んでいたとのことである。治療は複数回いろんな歯医者でしたようだ。抜くしかないと諦めていたようだ。今回は顕微鏡で治療を行う歯科医師を探し。 長い間悩んでいるという膿みが外側に出ている 内側にも膿みが出ている。(下の真ん中やや右寄り辺りのデキモノ) 世界最先端のコーンビームCTを開発している教授へ歯のCT撮影依頼をし、治療に取りかかった。 歯の中は汚染された物質で感染。肉眼での治療を複数回を受けたとのことであるが見えなかったために困難であったと思われる。この汚染物を顕微鏡歯科治療下できれいにすることから始める。 患者さんが何年も悩んでいたという外側の膿みが無くなった。内側(舌側)はその後数回の治療で消失。根管を開けるのには数回の治療を要した。  
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親知らずは、頭痛や口臭の原因にも・・・

親知らずは、親不知とも書きます。親不知は奥歯のうち一番奥にある歯を指し、専門用語では第3大臼歯といいます。また、智歯とも呼ばれています。 親知らずは、例えば横に向かって生えて来ている場合、きちんと歯みがきするのは困難です。ですから虫歯、歯周病になる確率も高まります。 そして、手前の歯を押して来るという やっかいな問題があります。これの何が問題かといいますと、噛むと何となく沁みるように感じるといった症状が現れるのです。やがて、そのなんとなく沁みる感覚が徐々にはっきりとしてきます。 親知らずが手前の歯を押してしまっているのが原因なのですが手前や更にもう手前の歯が虫歯になったと感じてしまうのです。奥歯自体は問題ないのに奥歯が痛い!!と感じるわけです。親知らずが原因とはふつうは思いませんよね。 親知らずは、たいてい歯茎に埋もれていたり、少しだけ頭をだしています。そのような場合、隙間に食べ物のカスなどがたまります。これは歯磨きしても取れないために、発酵して口臭の原因になります。 その歯茎が膿んだりして腫れてしまうと痛みが出ます。親知らずの周囲の歯肉の炎症ですので「智歯周囲炎」といいます。これは歯周病(=辺縁性歯周炎)と本質は同じです。 そうなると、噛む度に痛みが出るので物を噛むときに避けようとします。それを続けていると悪い癖がついてしまい噛み合わせが悪くなります。そして顎関節ならびに噛むための筋肉がおかしくなると慢性的な頭痛を引き起こすことがあります。噛むための筋肉というと、顎の筋肉、つまり顔の筋肉だけのように思われるかもしれませんが、首の筋肉をたくさん使います。首は体と脳をつなぐ非常に大切な部位です。噛み合わせが悪いと、頭痛以外にも肩こり・首こり・自律神経の乱れといった様々な症状に繋がる可能性があるといわれているのは、首への負担が原因なのでしょう。マイクロモーター歯科 話を親知らずに戻します。 親知らずは、扁桃や咽頭などの組織、および口を開け閉めする筋肉(咀嚼筋)などに近いので、頭痛を始め、体への悪影響を及ぼす可能性が高いのです。原因不明の内臓の疾患が、実は親知らずが原因だった、ということもあります。 このように親知らずが悪さの原因の場合の解決方法は、親知らずを抜くしかありません。 抜歯です。 抜歯・・・名前だけでもイヤな言葉ですよね。歯を抜くときいて、何がイヤかって痛いからですよね?絶対に痛いからですよね?
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無痛治療の手順

歯医者は「痛い・怖い」といったイメージが強く「歯の治療は嫌い」と思われている方はかなり多いと思います。 恐怖心の強いお子様だけでなく大人でも歯科治療に対しては「嫌だな」と思われている方が思われている方が多いようです。 あのキーンという歯を削る音を聞いただけで嫌がられることが多く、キーンという音=削る痛みと感じるようです。 なるべく患者様に痛みを感じさせないように、いろいろな面で注意を払って治療を行っております。 痛みを与えない治療を「無痛治療」と言います(生体情報モニタ)。 ①表面麻酔 無痛治療を行う為に、麻酔注射の前に塗るタイプの麻酔薬(表面麻酔薬ハリケイン)を塗ってから麻酔の針を挿入します。 表面麻酔の効果により歯茎の表面を麻痺させ、針を刺す際のチクッという痛みを和らげることができます。 ②細い針を使用する 吹田駅前歯科では、無痛治療を行う為に最も細いサイズの注射針を使用しています。 麻酔液の注入はゆっくり行い、針の刺す場所を考えて打ちます。 ③治療開始 麻酔が十分に効いていることを確認した上で、治療を開始します。 もし痛みや感覚が残っている場合はお気軽にお伝えください。 歯や神経を削らず・取らず・抜かずに治療 「できるだけ歯を削らない・神経を取らない・歯を抜かない」という治療思想に基づき、例えば虫歯の場合であれば、MI治療と呼ばれる最小の侵襲により最大の効果を得ようとの目的で考えられた、人に優しい虫歯治療法を行います(歯科ユニット)。 不安や緊張感をほぐすために、人は落ち着いていると神経質になっている時とでは、痛みの感じ方が異なります。 また一度強い痛みを感じると、治療の度に痛みを感じやすくなってしまいます。 まずは痛みに対する不安や緊張感をほぐすために、「見る・聞く・嗅ぐ・味わう・触る」といった、人の5感に訴えるリラクゼーションを行っております。
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どこまで許せる?予約制でも待たせる歯医者

朝起きたら、何だか歯が急に痛くなってきた……。慌てて近くの病院に電話すると「残念ですが今日は予約で一杯です。」なんて経験ありませんか? 一般の病院は、予約しなくても診察するのに、歯科医院はなぜ予約しないといけないの? そんな疑問にガイドがお答えします。 歯科の診療体系 歯科医院が予約制を多く採用している最も大きな理由は、歯の治療の多くが、診療=診断ではなく、診療=診断+処置を必要とするため、一人一人の診療に多くの時間が必要になるためです。歯科医療機器 一般的には、1回の診療に概ね15分から1時間程度の時間がかかることが多いようです。 予約なのに待たされる病院の仕組み 最近ではインターネットや携帯電話で、予約を簡単に取ることも出来るようになってきましたが、それでも電話での予約がまだ一般的です。 予約したのに待たされるといったこことがどうして起きていくのか? その最も一般的なケースを見ていきましょう。 1ヶ月~1週間前 初めは、それまでの診療を受けている人が、次回の予約を決めていきます。次回の診療内容に応じて、必要な時間があらかじめ決められるので、この時点で比較的正確なスケジュールが組まれます。 3日前~前日 僅かに残るゆとりを残して、ここからさらに初診予約(新規の来院予約)、予約のキャンセルや時間の変更が多くなります。これらの変更が増えていくほど、少しづつ無理が重なりスケジュールがタイトになっていきます。 当日 予約だけですでに1日のスケジュールがギチギチで綱渡りのようなの状態になります。急患を受け入れれば、その分予約をした人が待つことになります。そのため予約した人を優先することが多くなり、急患として来院しても、1時間以上待たされてしまうケースが出てきます。さらに急患が2人3人となると数時間以上待つ可能性が出るため、時として急患のキャンセルが起こってくるのです。 実際には,病院側も対策として、予約した人を待たせることなく、急患などにも対応できる時間的にゆとりのある予約設定にしているケースがほとんどです。医療という病院の持つ役割を考えれば当然のことです。 急患にならないために…… にわかに信じがたいことですが、海外では、歯の急患を受け入れるどころか、ドクターがバカンスの長期休暇を取ってしまうという話があります。 実は歯は急に痛くなるのではなく、本当は痛くなったり治まったりを繰り返したり、何らかの違和感や歯に穴が開くなどの自覚症状が必ずあるはずで、それを放置しておいたのは、病院の責任ではないというのです。 歯は痛くなってから慌てて病院に連絡するのではなく、悪い部分があれば定期的な健診で治すもの。前もって休暇を取る期日さえ指定しておけば、何の問題も起こらないといわれます。 ここまで自己管理を求められるのも大変ですが、病院で1時間以上も待たされて「私は急患なのに、どうして……?」とならないためにも、日ごろから歯の状態に気を配っておくことをオススメします。
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光をあてて歯周病を治す? 最新の光殺菌療法とは

抗生物質やレーザーとは違う! 新しい殺菌システム 成人の80%が患うといわれる歯周病。一般的に歯周病治療としては歯石取りなどが行われますが、歯周ポケット内には、機械的に取り除かききれない細菌などが存在していることも多くあります。 これらを普通の消毒薬で殺菌しようとすると、薬剤が触れた関係のない部分にまで薬の効果が働いてしまいます。消毒効果の高い薬を使うと、細菌だけでなく健康な組織にもダメージを与えてしまうことがあるのです。今海外で行われている「光殺菌療法」は、専用の薬剤と、光をあてる照射器の2つをセットで使用し、細菌のみを選択的に殺菌できる治療法です。 光殺菌療法で使用する薬剤は、組織や細菌につけただけでは消毒効果はありません。薬剤に含まれる染色剤が細菌のみに働きかけ、光が照射された時に初めて反応が起こり、活性酸素が発生して細菌を破壊するというシステムです。細菌が原因で起こる歯ぐきや顎の骨などを溶かす原因物質なども破壊することができるため、歯ぐきや骨が減少するのを止める効果もあります。これらの反応は細菌のみに起こり、健康な組織などは影響を受けません。 歯周ポケット内に残っている細菌を炎症が起きないレベルの量になるようコントロールしたり、増えすぎた細菌を少しでも減少させたりすることに役立ちます。さらにインプラント周囲炎やメンテナンス時に利用することもできます。歯周病の場合には歯石取りなどを行った後の歯ぐきに利用するとより良い効果が発揮されるようです。 これまでのレーザー治療や抗生物質を利用した治療と違ったアプローチで細菌を死滅させる画期的なシステムと言えそうです。 光殺菌療法のメリット・デメリット それではこの最新の治療法のメリット、デメリットはなんでしょうか? ■メリット ・副作用がない 消毒薬や抗生物質ではなく、光からのエネルギー利用するため、副作用がないと言われています。 ・連用しても耐性菌が作られない 抗生物質ではないため、効果が発揮されるのは瞬時で、時間がかかりません。そして、たとえ繰り返しの使用になったとしても、耐性菌が作られる心配がありません。さらに抗生物質による耐性菌も破壊することができます。 ・簡単で痛みが出にくい 歯周ポケットに薬剤を入れて1分程度の光をあてるだけなので、簡単で刺激が最小限ですみます。 ・歯周病だけでなく虫歯などの細菌にも効果がある 難治性の根の治療や、インプラント周囲炎、大きな虫歯の治療時など、口の中の細菌が原因する部分にはほとんど使えます。 ・余分なダメージを与えない歯科用エアーコンプレッサー 同じ光でも高出力のレーザーのような高エネルギーは発生しないため、歯ぐきや歯の内部の神経などの温度上昇が起こらないため、健康な部分には、ダメージを与えません。 ■デメリット ・薬剤が触れないと効果がない 抗生物質のように血液中に溶け込んで全身くまなく細菌をやっつけるような働きはありません。細菌に薬剤が触れなければ、光を当てても何も起こません。 ・光が届かないと効果がない 薬剤は光が届いて初めて活性化して細菌を破壊します。そのため必要な場所に必要なだけ光が届くように専用のチップが用意されています。 ・保険適応ではない 最先端の治療のため、保険が適応されません。 通常の治療のオプションとして使うのがベスト? 例えば歯周病であれば、毎日のしっかりしたブラッシングと機械的な歯石の除去。虫歯治療であれば、虫歯に感染した部分を機械的に取り除くことが治療の基本になります。光殺菌療法はこれらの基本治療にプラスして利用するスタンスになると思います。 特に有効だと思われるのは、難治性の歯周病やインプラントの周囲炎など、取り除くことが困難な細菌コントロールです。どうしても機械的に取り除くことができない歯周病菌などの影響で、ときどき腫れたりすることはよくあります。この時、腫れと同時に顎の骨も溶かされるスピードが増加してしまうため、短時間で細菌量を減少させることは骨が溶けることを減らす効果が期待できます。…
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歯科診療で活躍するいろいろな麻酔

歯医者は好きですか? 歯医者が大好き!という人よりは、歯医者に対して少なからず抵抗のある人の方が多いことでしょう。それは私たち歯科医師も十分に承知しています。とあるデータによると、歯医者が好きな人はわずか7%。それに対して嫌いと回答した人は60%を超えるそうです。 ではなぜ歯医者が苦手な人が多いのでしょうか?嫌いな理由の多くを占めるのは、「治療がとにかく痛い」「キーンという治療の音が嫌い」「歯医者のにおいが独特で苦手」でしょう。多くの方に心当たりがあるかと思います。 その中でも今回は「治療がとにかく痛い」という理由を無くすために、私たちが患者さんに対して出来ることをご紹介させて頂きます。 痛みを軽減してストレスを無くそう 多くの方が感じている歯科治療の際の痛み。親知らずなどの抜歯、歯科インプラントの手術といった明らかな外科処置をおこなう場合だけでなく、進行してしまった虫歯の治療や、長い間放置してしまい、歯肉の中までこびりついてしまった歯石除去……といった一般治療の際にも痛みを感じることがあります。 ただ、このような痛みを感じる可能性がある治療をする際、みなさんのストレスを軽減させる方法があります。それが麻酔です。 歯科治療における麻酔のあれこれ…局所麻酔 麻酔と一言で言ってもさまざまな種類があります。みなさんに馴染みの深いのは、治療箇所に直接麻酔をする「局所麻酔」でしょう。 局所麻酔には「表面麻酔」「浸潤麻酔」「伝達麻酔」の3種類があり、注射針で麻酔をするのは浸潤麻酔と伝達麻酔です。しかし、いくら治療の痛みを抑えるための麻酔といっても、注射針を刺す段階で痛みを感じることもありますので、その痛みを軽減するために準備するのが、表面麻酔です。 表面麻酔は注射針を刺す歯肉表面にジェル状の麻酔薬を塗布する麻酔法です。塗布後数分で麻酔が効いてきます。医院によっては表面麻酔を行わないところもありますので、麻酔前にひと声希望を伝えるのも良いかと思います。 浸潤麻酔は先に述べたように、注射針を使用しての麻酔です。浸潤麻酔で大切なのは、麻酔薬と注射針の選択です。 麻酔薬は患者さんの持病や既往症、妊娠の有無といった身体の状況や、麻酔のしびれが長時間続くのが嫌(小児の場合はしびれが長時間にわたることで唇や粘膜を咬んだりして傷ついてしまう可能性もある)などの条件に適しているものを選ばなければなりません。 そして注射針は、注射をする箇所により太さと長さを適切に選択する必要があります。人間には痛みを感じる「痛点」というものが多数存在しており、同じ口腔内でも前歯と奥歯の付近では痛点の数が異なります。だからといって一概に細い注射針を選択すればよいというわけではなく、麻酔の効きにくい箇所には少々太めの針を選ぶなど、部位と状況によって選択することが大切なのです。 また、麻酔液を注入する際にも、さらに痛みを感じることがあります。この原因は麻酔液が自分の体温より大幅に低いこと、麻酔液を注入するスピードにムラがあることです。解決するために手のひらやカートリッジウォーマーで麻酔液を温めたり、一定のスピードと量で麻酔を注入できる電動麻酔器を使用することもあります。 伝達麻酔は、痛みや治療の箇所が広範囲に広がる可能性が高い場合に行います。局所の神経ではなく大元の神経自体に麻酔しますので長時間効きますし範囲も広くなります。 「下顎孔伝達麻酔」は親知らずの抜歯の際によく用いられます。下顎骨は非常に硬く厚みがあり、浸潤麻酔では効果が薄い場合があります。特に奥歯の部分にはその傾向が強く、親知らずの抜歯の際の痛みを減らすためには、下顎孔を通る下歯槽神経(下唇や顎の知覚、顎舌骨筋や顎二腹筋前腹といった頸部の筋肉を支配する神経)に働きかける下顎孔伝達麻酔が効果的なのです。これにより歯槽骨の厚みや密度に関係なく下顎全体に麻酔効果を与えることが出来ます。 歯科治療における麻酔のあれこれ…精神鎮静法 痛みも苦手だけど、これまでの経験が積み重なり歯医者に対する恐怖感が拭えない!という歯科恐怖症の方や、口の中に異物が入ると吐き気を催してしまう…という嘔吐反射の方におすすめなのが「精神鎮静法」。 精神鎮静法には「笑気麻酔」と「静脈内鎮静法」があります。歯医者に対する拒否感とストレス、そして過度な緊張を解きほぐすのにぴったりの麻酔法です。 笑気麻酔は笑気ガスと医療用酸素を用いた吸入鎮静法という麻酔です。空気中の3倍以上もの酸素を含んだ麻酔ガスを鼻から吸入し、全身の緊張をとります。意識を失ったり眠ってしまうほどではありませんので治療中の声掛けには反応できますし、ふんわりとした微睡状態でリラックスして治療を受けることが出来ます。 笑気麻酔には鎮静作用だけでなく鎮痛作用もある為、リラックスに加え痛みを感じにくいといった利点があります。表面麻酔と併せることで痛みのない局所麻酔を実現することが出来ます。また、使用する笑気ガス自体も体への悪影響が無いためお子様にも使用することが出来ます。治療後麻酔の吸入をストップすると呼気によって速やかに体外へ排出される為、覚醒も早く治療後の食事や車などの運転にも制限はありません。 一方、静脈内鎮静法は痛みを和らげたりリラックス効果のある薬を点滴により直接血管に投与して行います。全身麻酔のように意識を失ったりすることはありませんが、夢うつつの状態で治療を受けることになります。 直接薬を投与する分笑気麻酔よりも効果が高く、嘔吐反射が強く今まで歯科治療を全く受けることが出来なかった方や歯科インプラント手術などの外科処置を必要とする方に非常に効果的な鎮静法です。 笑気麻酔同様意識が有るので医師からの呼びかけに応じることが出来、患者さんの様子を見ながら処置を進めることが出来ますし、ウトウトとした状態ですので治療そのものを短く感じることもあります。血管に薬を投与するため薬剤が代謝により体外へ排出されるのに時間が掛かりますので、しっかりと覚醒するまで(出来れば当日中は)安静にして頂き、帰宅時含め自転車や車の運転はおこなわないようにしていただく必要があります。 静脈内鎮静法は麻酔科医の管理のもとで行われるのがベストです。歯科レントゲン事前に確認した既往症、服薬情報、身長体重をもとに薬の量を決め、当日麻酔前の全身状態確認は必須ですし、術前4~5時間は絶食となります。 正しい麻酔の選択 局所麻酔も精神鎮静法も大切なのは治療に適切な麻酔法を歯科医師に選択してもらうことです。どれほど痛みを感じているのか、歯医者に対しての抵抗感がどの程度なのかといった自身の状況をしっかりと担当医に相談し、最適な方法をとってもらうべきです。体の内部の病気と違って日本では歯の治療自体が後回しにされがちです。幼いころのトラウマや今自分の置かれている環境で歯医者へ通うのを躊躇っている方、是非とも麻酔を有効活用してもらい歯科治療をして健康な口腔環境を取り戻しましょう!
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エアータービンは切削技術の革命、でも削りすぎの危険性が・・・

歯科医院へ行くと聞こえる「キィ~~ン」というあの音、好きだという人はまずいないでしょう.この「キ~~ン」の音源はエアータービンという歯を削る器械です.エアータービンは1957年米国で考案され、1960年代に製品化されたのですが、あっという間に日本中の歯科医院に広まりました. それまでの歯を削る器械ではで20分も30分も時間がかかっていたクラウンやインレーの形成が、エアータービンではほんの数分でできるようになったからです. 特にブリッジや陶材焼付冠などの切削量が必要な補綴物の形成がいとも簡単にできるようになったので、その便利さに多くの歯科医が飛びつきました. それまでは一本一本のむし歯を治すのがやっとだったのが、噛み合わせや審美性を考えて、口の中全体を改変する事が出来るようになりました.「一歯単位から一口腔単位へ」という考えが広まり、口の中のほとんどの歯を削ってしまう治療も珍しくなくなりました. その結果、見た目やその場限りの機能回復のために、健全な歯質を削ったり、健康な神経をとったりしてしまうことが抵抗なくなく行われるようになりました.補綴物を入れるために「戦略的抜歯」といって抜く必要の無い歯まで抜くことを提唱する歯科医さえ出現したのは、“削ること”、”抜くこと”に抵抗が無くなった歯科医たちの傲慢さがよく表れています. エアータービンの出現による歯科の過剰介入は1960年代、70年代と徐々に顕著になり、現在でもその傾向は引き継がれています. 戦略的抜歯はオッセオインテグレートのインプラントの出現により、その頻度は以前より増しています.
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歯科医にはバレバレ!お口の中にあらわれる「思わぬ病気のサイン」4つ

あなたは、最後に歯医者に行ってから、もうどのくらい経ちますか? 「2年くらいかな……」なんて言っている人はちょっと危険! 大人になると、なかなか歯を定期的に診てもらう機会が少なくなるもの。でも歯科医は、歯の状態だけでなく、歯を診ただけで、さまざまな健康上の悪習慣や症状を察知することもできるそうです。定期検診を怠っていると、思わぬ病気の進行を許してしまっているかもしれません! そこで今回は、英語圏の医療・健康系情報サイト『Prevention』の記事を参考に、歯科医が見たらすぐにわかる健康リスクのサインについて検証してみましょう。 ■1:鼻炎 鼻が詰まって「風邪かな……」というときに、歯までズキズキしてきた経験はありませんか? 歯科医によると、上歯の歯根は鼻と近い場所にあるため、鼻炎で鼻詰まりになると歯にも圧力による痛みが起こることが多いそうです。 風邪の最中に歯医者に行くのはやめたほうがよさそうですね。 ■2:摂食障害 過食症などの摂食障害で、食べものを吐くなどのことをする人は、胃酸によって歯の決まった一部分が損傷することが多いそうです。そのような摂食障害を患っている場合は、腕のいい歯科医にはすぐにバレてしまうのだそう。 また歯の状態によって、ビタミン不足かどうかもわかるそうです。栄養が偏っている人は歯の健康を損なうこともあるので、注意してくださいね!歯科診療ユニット ■3:糖尿病など 本人は気づいていなくても、患者が口を開けた途端ぷーんと口臭が漂うと、歯科医にとってもつらいものですね(だからマスクをしているのでしょうか……)。 しかし、口臭は口の中が臭いという問題だけでなく、さまざまな病気のサインとなっている可能性も高いのです。臭いの種類によっては、糖尿病や肝臓疾患、逆流性食道炎などの症状である可能性もあるそうですよ。 ■4:口腔がん 「なんか口の中が変……」と思ったら要注意。口腔がんを患うと、口内で原因のわからない出血があったり、歯の噛み合わせがいつもと違ったり、腫れ物ができたりする症状が起こるそうです。 歯科医が見たら「もしかしたら……」と気づく場合もありそうですね。早期発見のためには、定期的に診てもらう必要があるでしょう。 以上、歯科医が見たらすぐにわかる健康リスクのサインについてお伝えしましたが、いかがでしたか? もしあなたが歯科検診でこれらの症状を指摘されたら、迷わず専門医に相談してくださいね!
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今さら聞けない?! 歯を抜いてそのままにしたら…

口の中の歯が修復不可能なほどダメージを負った時には、残念ながら抜かなければなりません。前歯は見た目の問題もありそのままにすることは、あまりないでしょうが、奥歯となるとまだ他の歯で咬めるためか、1本だけ抜いたままにしているケースを時々見かけます。 一見、そのままでも何の支障もないように思いますが、時間の経過と共に後で苦労することもあるのです。抜いてしまった歯をそのままで放置すると何が起こってくるのか、解説したいと思います。 そのままにしておくとトラブルの元に… よくあるのは、歯医者さんが苦手なため、我慢ができないほどの痛みが出るまで虫歯を放っておいて、すでに手遅れになってしまうケースです。 歯を抜いて痛みがなくなったら、「1本無いけどそれほど不都合なく使える。」と考え、それ以後の歯医者さんでの治療がストップしてしまう…というのがもっとも多いようです。 抜いた歯をそのままにすると… 奥歯の1本がなくなるだけでその周りの歯が動きます。 かみ合わせる相手がいない歯が伸びてくる 上下で咬むことができなくなった歯が、抜いて無くなったスペースを埋めるように伸びてきます。ひどくなると上の歯が下の歯の抜いた部分の歯肉にぶつかるまで伸びてくることもあります。 骨も一緒に伸びてくる 歯だけが伸びるのではなく、歯の周りの骨も一緒になって伸びてくるため大きなコブのように歯肉が見えるようになってきます。(歯科矯正器具) 両隣の歯が傾いてしまう。 抜けてしまった歯の周りが動く 時間が経つとどんどん動いてブリッジなども作れなくなることもあります 両隣の歯が、歯のなくなったスペースに倒れるように傾いてきます。 ブリッジを作りにくくなる 歯を抜いて何年も経過してから、歯の抜いた部分に「ブリッジ」を作ろうとしても、スペースが無くなりきれいに作れなくなります。 他の歯も傷みやすくなる 歯が1本少なくなれば、その分、他の歯に余分な力がかかり、傷みやすくなります。 抜いた部分をそのままにすると、時間の経過と共に治すことが困難になってきます。まれにそのままでも問題ないこともありますが、できれば歯医者さんに行って確認することをお勧めします。 抜いた後の治し方は… 基本的な治療の方法は、大きく分けて次の3つです。 ブリッジ 一般的にもっとも良く使われるのが、このブリッジです。抜いた部分の前と後ろの歯の形を削って修正して、3本の歯を一つの塊で作ることによって歯の形を元に戻します。奥歯では金属色のみ健康保険の適応内となります。 入れ歯 外れると飲み込んでしまう恐れがあるため、あまり作られませんが、1本だけ入れ歯も作る事はできます。健康保険の適応内です。 インプラント 手前の歯と奥の歯を両方とも削ることなく抜いた部分のみ治療可能です。骨に直接チタンの根を埋め込んでその上に歯を作ります。健康保険の適応がありませんので自費治療となります。(口腔外科用マイクロモーター) どの方法を選択するかは、それぞれにメリットやデメリットがあるので、実際に治療する医院で納得するまで説明をしてもらうことをお勧めします。
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入れ歯で美味しく食べるために~総義歯~

総義歯とはなに? 上の歯ぐきに使用する総義歯 上の歯ぐきに使用する総義歯 総義歯とは、自分の歯が1本も無い人が使用する入れ歯のことです。「平成23年広島県県民健康意識調査」では80歳以上の方のが、自分の歯が全く無いとアンケートに答えています。 総義歯は歯科医院で歯ぐきの型をとって、一人一人 のお口にあったものを作り、うまく使いこなすことができるように調整します。ここでは正しい使い方やその限界なども説明します。(口腔模型) 総義歯を使用する利点 歯がそろって、食事がしやすくなり栄養状態が良くなる 食事することが楽しくなり、食生活に対して前向きな気持ちになれる 噛み合わせが安定して、身体の運動能力が向上する 失われた歯や歯ぐきが義歯によって再現され、顔の雰囲気が若返る 総義歯を使用することで、不明瞭だった発音が良くなる 以上のように高齢になり、乳歯・永久歯すべてを失っても、第3の歯として総義歯を使用することでQOLが向上します。 自分の歯がある人とは違う点 自分の歯(天然歯)で噛むときの力は最高で20kg程度といわれています。ところが、総義歯を使用して噛むときの力は最高で6kg程度といわれています。残念ながら、総義歯で噛む力には限界があり、自分の歯で噛む人と比べて噛む力は1/3程度です。 ① 調理方法の工夫 特にまだ総義歯を使用することに慣れていない場合は、噛むときに抵抗がなく小さく切った軟らかい食べ物(豆腐、うどん、卵料理、煮た野菜、おかゆ等)から食べてみましょう。総義歯に慣れてからも、あらかじめ食べ物を包丁で刻んだり(刻み食)、切れ目を入れておいて食べやすくしておくことも大事です。わかめやレタスなど厚みが薄い食べ物も食べにくいので、調理方法を工夫してみましょう。 ② 食べ方の工夫 一口量を少なくして、噛むことが負担にならないようにしましょう。そして食べ物を噛み切るときは、前歯の真ん中より唇の端の方(犬歯・小臼歯)に食べ物を乗せて噛み切るようにしてみましょう。総義歯は、前歯で噛むと外れやすい特徴があります。 ③ 義歯に慣れるために 新しい総義歯を使用して満足に噛めるようになるには、通常少なくとも1~2ヶ月はかかります、その間は練習期間と思ってください。ただ、なかなか慣れなかったり、総義歯を使用して痛みがあるようなときは、がまんしないでかかりつけ歯科医に相談しましょう。義歯の調整と使用上のアドバイスをしてもらい、かかりつけ歯科医と一緒に総義歯に早く慣れるように努力してみましょう。 ④ 総義歯の使用上のアドバイス 古くなったり合わなくなった総義歯を使用していると、歯ぐきを傷つけたり、場合によっては歯ぐきがやせてしまうこともあります。現在総義歯を使用されている方もお口にきちんと合っているか、かかりつけ歯科医院でチェックしてもらいましょう。歯が全て失われた方も、楽しくて美味しいと感じる食事をしていただき、QOLが向上することを私たち歯科医師は願っています。(口腔外科用マイクロモーター)
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