Archives for June, 2015

若くして歯が抜けてしまうのはなぜ? めざせ!「8020(ハチマルニイマル)」

8020(ハチマルニイマル)運動をご存じでしょうか。厚生労働省と日本歯科医師会が、平成元年から推進している、「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。 20本以上の歯があれば、食生活に支障がなく、ほぼ満足することができると言われる、健康寿命の基本です。 ぜひ、8020を目指したいものですが、実際には、大人の虫歯は多いのです。しかも悪いことに、大人の虫歯は痛みがない間に進行しています。油断できない大人の虫歯。どうしてこんなことが起きるのでしょうか。 やっかいな大人の虫歯 虫歯は、細菌が糖を利用して酸を作り、歯質が軟らかくし歯を溶かして崩壊させていく病気です。痛みが出て食事が取れなくなったり、睡眠を妨げたりします。原因はプラーク(歯垢)で、プラークは細菌の塊です。 大人になると、虫歯で痛みが起こる経験はあまりありません。ですから、大人になると虫歯が減ると思っている人もいます。でも、大人でも虫歯になります。それも、やっかいなことに自覚症状がないままに進行してしまいまうのです。口腔内カメラ 通常、虫歯ができると、歯神経が刺激されて痛みを感ずるのですが、大人の虫歯は、神経を防御する新たな象牙質ができてしまい、痛みが神経に届かないまま、虫歯が進行している状態になっています。 大人の虫歯ができやすい部位は、歯茎が下がってきてエナメル質で覆われていない、歯の付け根部分です。 1本抜けると、次々と抜ける! 1本の虫歯から、次々と歯が抜けていってしまう場合があります。歯が1本抜けてしまうと、それを支えていた骨が溶けて無くなり、抜けた場所の周囲の歯も、ぐらついてしまって、次々と抜けてしまうからです。 2月11日(水)放送の『ためしてガッテン』では、まだ52歳なのに総入れ歯の方が紹介されていました。30歳で奥歯が1本抜けてから、毎年1本ペースで歯が抜けていき、総入れ歯になってしまったそうです。 上の歯が抜けると、対になっている下の歯は、スペースを埋めようと伸びてきます。さらに、周囲の歯も空いたスペースに向かって傾いて、歯並びが悪くなります。このように、かみ合わせが悪くなると、虫歯や歯周病を起こす環境になり、歯が抜けていくのです。 半年に一回歯の定期健診と、毎日セルフケア 歯が抜けないようにするためにも、半年に1回、歯医者さんへ行って健診してもらいましょう。また、1本抜けた場合、それを放置せず、すぐに処置してもらうこと。 さらに、自分で歯をみてセルフチェックをすることも大事です。虫歯になると歯の色が変わります。黒くくすんできます。 毎日の歯磨きも重要です。やり方は強く磨かないこと。鉛筆を持つように歯ブラシを持ち、歯の根元に歯ブラシを当てて、歯茎が白くならない程度の強さで、ソフトに磨きます。 入れ歯の場合 自分ではキチンと合っていて問題ないと思っていても、入れ歯がすり減っていて、歯肉に負担がかかり、ブヨブヨになっていることがあります。 安定剤をつけないと外れてしまう場合は、そもそもサイズが合っていない可能性があります。また、同じ入れ歯を長期間使用していると、ずれたり歯茎がやせてきたりします。 入れ歯の人でも、半年に1度は歯医者さんに行って、正しい噛み合わせになるようにメンテナンスしてもらう必要があります。
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歯根の膿/根尖病巣(こんせんびょうそう)の8つの症状と治療法

虫歯をそのままにしたり、根の治療がうまくいかないとできるのが根尖病巣です。根尖病巣は症状がなく進行することが多く、急に歯茎が腫れたり、痛みが出たりする病気です。しかし、実は根尖病巣は歯だけでなく、副鼻腔や顎の骨、手足にも症状が出ることがあるのです。今回は根尖病巣で起こる8つの症状と治療法をお伝えします。ぜひ参考にしてください。 1.歯の根尖病巣(こんせんびょうそう)とは 歯の根の先にできる膿の袋のことです。歯の神経が死んでしまうと、神経が腐って細菌が増えます。硬い歯に囲まれているため自然に治ることができず、根の先から細菌や毒素を骨の中に出します。この細菌や毒素によって骨が溶かされ、根の先に膿の袋ができた状態を根尖病巣と言います。また、歯根嚢胞(しこんのうほう)と呼ばれることもあります。 2.根尖病巣の症状 2−1.症状もなく知らぬ間にできることが多い 根尖病巣の多くは症状がなく、徐々に大きくなります。歯医者でレントゲンを撮った時に指摘されることも多い病気です。レントゲンを撮影した時、根の先に丸く黒い部分が見えると根尖病巣の可能性があります。 2−2.歯茎におできのような膿の出る穴ができることがある 根尖病巣の中の膿が溜まると、歯茎に白いおできのような穴を作って膿を出します。このおできのようなものは出来たり、治ったりを繰り返します。痛みや腫れは出ないことが多いですが、口臭や口の中のネバネバ感があります。詳しくは「歯茎にできた白いできものの正体と治療法」を参考にしてください。 2−3.噛むと痛い 根尖病巣がある歯で噛むと違和感や痛みを感じることがあります。歯の根の周りには噛んだ時に硬いものや軟らかいものなどを判断する歯根膜(しこんまく)というものがあります。根尖病巣によって歯根膜に炎症が移ると噛んだ時に痛みとして感じます。 2−4.急に歯茎が腫れる 根尖病巣は急に腫れを伴うことがあります。体の抵抗力が低下した時に腫れが強くなります。根尖病巣による腫れは顔の形が変わるくらい大きく腫れたり、口が開かなくなることもあります。詳しくは「歯茎が腫れた時、自宅でできる応急処置と治療法」を参考にしてください。 2−5.歯の周りの骨が溶かされ歯が揺れる 根尖病巣によって歯の周りの骨が溶かされ、歯がグラグラしてくることがあります。歯は歯の周りの骨によって支えられています。根尖病巣が大きくなると歯を支えている骨が溶かされ、歯が揺れてきます。また、より大きくなると周りの歯まで揺れてくることがあります。 2−6.上顎の根尖病巣は副鼻腔炎の原因になる 上顎の奥歯の根の先は副鼻腔の近くにあります。根尖病巣が大きくなると副鼻腔に入り、細菌が感染して副鼻腔炎になります。副鼻腔炎になると歯の痛みや頭痛、口臭、鼻づまりなどが起こります。詳しくは「歯性上顎洞炎になる7つの原因と治療法/激痛や頭痛も引き起こす」を参考にしてください。 2−7.下顎の根尖病巣は骨髄炎になる 下顎の根尖病巣が大きくなると骨髄に細菌が感染し、骨髄炎になることがあります。通常は体の免疫細胞などが骨髄まで細菌が侵入しないように防御しています。体の抵抗力が下がった時や根尖病巣があまりにも大きくなってしまった場合は骨髄炎になることがあります。骨髄炎になると入院し、点滴で抗生物質を体に入れる必要があります。 2−8.手足に湿疹が出ることもある 根尖病巣にある細菌は血液を介して全身に回ります。根尖病巣内にある細菌がアレルギー物質となり、手足に湿疹ができる掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)になることがあります。掌蹠膿疱症は金属アレルギーによってもなることがあります。 3.根尖病巣の治療法 3−1.歯の根の治療の根管治療(こんかんちりょう)をする 根尖病巣の治療には初めに歯の根の治療である根管治療を行います。神経が死んでしまった歯の根の中には、血液が流れていないために体が自然に細菌を取り除くことが出来ません。感染してしまった神経の繊維や歯の一部を削り取って、再び細菌が感染しないように薬を詰めます。詳しくは「歯の寿命はこれで決まる!歯の根の治療の根管治療と全情報を大公開」を参考にしてください 3−2.根の先を切断する歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ) 歯の根の中は複雑で根管治療では治らないことがあります。根管治療で治らない根尖病巣は歯茎の方から切って、外科的に根尖病巣を取り出す歯根端切除術を行います。歯根端切除術は根尖病巣の切除、根の先の一部の切除、根の先に蓋をする3つの処置を行います。詳しくは「歯根端切除術/根の治療では治らない膿の袋を取り除く」を参考にしてください。根管治療機器 3−3.歯根端切除術+歯の再植術 歯根端切除術は前歯や上顎など骨が薄い部分でしか出来ません。下の奥歯は骨が厚く、歯茎から根尖病巣を取り除くことができないために、根尖病巣がある歯を1度抜歯し、根尖病巣を取り除き、戻す再植術を行います。 4.根尖病巣の原因 4−1.虫歯が進行すると根尖病巣ができる 虫歯が進行すると歯がしみたり、痛みが出たりします。その症状は一旦収まります。その後神経があった管を通り、細菌が歯の根の周りの骨を溶かし、根尖病巣ができます。…
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「デンタルフロス」が歯肉の出血防止に効果

デンタルフロスとは、日本語で言うと、歯間ブラシ。日常的に使っている人には朗報だ。歯肉の出血予防に効果的だという研究結果が出てきた。 岡山大学の研究グループが、2014年8月号の歯科系の国際誌ジャーナル・オブ・クリニカル・ペリオドンドロジーで報告したものだ。歯科医療機器 研究グループは大学入学前と卒業前の大学生およそ200人強を対象として、口腔衛生行動およびBMIの増加と検査の際の出血割合、歯周状態を調べた。 検査の際の出血の割合は、デンタルフロスの非使用で増えており、危険度は使わない場合に3倍高いと分かった。歯周病はBMIが高いと問題となる傾向が見られた。
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歯の土台が溶ける!歯周病を進行させるNG生活習慣

「きれいな歯」「健康な歯」の大切さはわかっていても、歯医者さんって痛いし怖いしで、虫歯でもない限りなかなか行く気になりませんよね。 でも、ちょっと待ってください。虫歯がなくても歯周病になることはありますし、口の中の状態が悪いと、さまざまな病気を引き起こしてしまうかもしれません。 『先生、歯がキレイだと人生もうまくいくのですか?』(カナリアコミュニケーションズ/刊)は定期的に歯科で口内のケアをしないことのリスクや、ケアをすることで得られるメリットについて、横浜で「デンタルライフクリニック」を運営する磯部知巳さんが教えてくれる一冊。 「歯を健康に保つ」メリットは過小評価されがちですが、実際には歯がきれいになることで周囲の人に与える印象は大きく変わり、仕事や恋愛など、その効果は計りしれません。 磯部さんによると、歯の健康は人生の充実度と大きく関係するのだとか。一体どういうことなのでしょうか? ――磯部さんの新刊に『先生、歯がキレイだと人生もうまくいくのですか?』ついてお話を伺えればと思います。本の中で書かれているように、私たちは虫歯などがないとなかなか歯医者さんに行きません。結果、知らない間に歯周病が進行してしまうということが出てきます。そこでお聞きしたいのが、虫歯などの治療がなくても定期的に歯科にかかるという場合、どれくらいの頻度が望ましいのかということです。 磯部:理想をいえば「月に一度」くらいの頻度が望ましいです。自分自身ではブラッシングできない箇所というのが口の中には必ずあって、どうしてもそこに汚れが溜まってしまいます。それを歯科でチェックしてもらうということですね。 ただ、「月に一度」というのは実際にはなかなか難しいでしょうから、三カ月に一度くらいは歯科にかかられるといいでしょう。超音波クリーナー ――歯周病のリスクはかねてから指摘されていますが、その原因として歯磨き以外のところではどんなものが挙げられますか? 磯部:生活習慣の乱れでしょうね。歯周病は通常、40代以上の方の生活習慣病の一つとして位置づけられていますが、まれに20代、30代の若い方でもものすごく歯周病が進んでしまって、歯がぐらついたり、歯を支えている土台が溶けてしまう人がいます。 たとえば食生活が乱れている方ですとか、徹夜が多い方、接待などでお酒を飲む機会が多い方というのは、特に気をつけた方がいいですね。歯茎の腫れや化膿、出血といった症状があるのであれば早めに歯科にかかることをおすすめします。 ――今おっしゃった若い方の歯周病ですが、こまめに歯磨きをしていてもなってしまうものなのでしょうか。 磯部:若い方の中では、歯磨きをしているかどうかということよりも、その人の特性によるところが大きいです。 身長や体型が人によって違うように、もともと口の中の細菌が多い人がいらっしゃいます。これは3歳くらいまでの間に親御さんからもらうことが多くて、たとえば口移しで食事を与えることで口の中の細菌まで子どもに移ることもあります。 ――なかなか歯科にかかる気にならない理由の一つに「痛い・怖い」という歯科に対するイメージがあります。最近の歯科治療は痛くない方向に変わってきているというお話も聞きますが、このあたりについてはいかがですか? 磯部:痛みというのは緊張度と関連が強くて、歯科治療で痛みが強い方というのは、緊張している方が多いんです。その緊張を取ることで痛みを和らげるという方法が普及してきています。 これは「鎮静法」というのですが、主に二つありまして、患者さんに気持ちをリラックスさせるガスを吸ってもらう「笑気ガス鎮静法」と、同じ効果がある薬を点滴で体内に入れる「静脈内鎮静法」があります。 それと、今は麻酔に使われる針がどんどん細くなってきてるので、刺す時の痛みはかなり出にくくなってきていると思います。 ――歯科治療で「詰め物」として使われる銀歯で金属アレルギーの症状が出てしまうことがあるというのは盲点でした。患者さんの中には、アレルギーの症状が出ているのに、それと気づかない人が多いかもしれませんね。 磯部:私の世代の人が子どもの頃に、「アマルガム」という水銀を使った合金がよく詰め物として使われていたのですが、この物質へのアレルギーで体に発疹ができたり、ひどい場合には呼吸困難になったりといったケースが出たことがありました。 それと、歯にかぶせる「銀歯」にしても、金や銀、パラジウム、ニッケル、クロムなど、さまざまな金属が使われています。それらが唾液に溶け出したり、歯茎に染み込んだりします。体内に吸収され、他の臓器に蓄積してアレルギー症状を起こすことがあります。 内臓に取り込まれた場合は分かりにくいのですが、歯茎に溶け出した金属が付着したケースは見た目にあらわれることが多いです。歯茎が銀歯の周りだけ赤くなったり、逆に灰色っぽく変色したり、爛れたりした場合、アレルギー症状かもしれません。 ――「詰め物」だけでなく、インプラントにも金属が使われていますよね。 磯部:インプラントに使われるのはチタンで、チタンはアレルギーを起こしにくいと言われています。 ただ、それでもアレルギーになる可能性がまったくないわけではないですし、できる限り体の中に金属は入れない方がいいですね。今のチタンのインプラントは、「噛む」ということに関してはかなりパフォーマンスが高いのですが、体にもっと優しい方法をということを望むであれば「ジルコニアインプラント」という、セラミックのインプラントが良いと思います。体に優しいということで、ご要望に応じて、私はこちらを積極的に使うようにしています。 ――また、本書の中には口の中に溶け出した金属が体内に取り込まれてしまうことで起こりうるリスクとして内臓系の疾患を挙げています。特に怖いのが癌なのですが、こちらも「数としては少ないが可能性としてはありうる」という認識でいいのでしょうか。 磯部:よく知られていますけども、癌というのは元々は遺伝子のコピーのエラーで起こります。 遺伝子が細胞分裂を起こす時、本来ならば正常な遺伝子がコピーされて増えるわけですけども、まれに異常なコピーができてしまうと。これが癌になります。こういった「コピーのエラー」が起こる過程に金属が関わっている可能性がある、というように理解していただけたらいいと思います。 もう一つ、遺伝子のコピーの異常の原因になるとされているのが「慢性刺激」です。 口の中に金属が入っていると、ガルバニー電流という電流が流れて歯茎を刺激します。この刺激は金属を取り出さない限りずっと続く「慢性刺激」です。これによって遺伝子のコピーにエラーが出てしまうということも可能性として考えられます。…
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これで安心!子どもに「過剰歯」があるとわかったときの対処法

「過剰歯があるので、手術しましょう」突然そう言われたら、びっくりして戸惑ってしまいますよね。まだ小さい子どもが、手術なんてして大丈夫なのか……と、親ならなおさら心配してしまうかもしれません。 もしかしたら、いてもたってもいられずに検索した末に、このページに飛んできたという人もいるのではないでしょうか?ここでは「過剰歯」と診断されたときの基礎知識と対処法について、歯科医師の先生方にご説明いただきました。 「過剰歯」って何? 「過剰歯(かじょうし)」とは、正常な本数を越えて通常生える本数よりも多く存在する歯のことを言います。正常な歯の数は、乳歯が20本、永久歯は親知らずを含めて32本と決まっていますが、それを越えた余分な歯が「過剰歯」になります。歯科機器通販 過剰歯ができるのは、歯のもとの状態である「歯胚(しはい)」が過剰に作られてしまったり、2つに分かれてしまうことが原因で、20~30人にひとりの割合で「過剰歯」があるといわれ、それほど珍しいことではありません。 発生しやすい箇所は、「前歯の真ん中(正中部)」。その多くは完全に生えてくることはなく、骨のなかにとどまっている状態です。 「過剰歯」の発見はレントゲン 骨のなかに留まっていることの多い「過剰歯」は、歯医者さんでレントゲン撮影をしたときに発見されることが多いそう。また、永久歯が生えそろう際に歯と歯の間に異常な隙間ができると、過剰歯の存在を疑うようです。 「過剰歯」って抜かなくてもいいの? 現代は昔の人に比べて柔らかい物を食べることが多いため、あごの骨が小さくなってきています。そのため「過剰歯」が生えることで歯の並ぶスペースがなくなり、歯並びが悪くなったり、生えるべき永久歯が生えてこられないこともあります。 抜いたほうがいい「過剰歯」 「過剰歯」があると、歯並びが悪くなったり、生えるべき歯が生えてこられなくなる可能性があります。また、周囲からばい菌が入って「嚢胞(のうほう)」という膿の袋を形成する原因になる恐れも。よって、基本的に歯科医師は「抜歯」をオススメします。 抜かなくてもいい「過剰歯」 深く埋まっていて周囲の歯にほとんど影響がなさそうな場合、ほかの歯と同じように生えているときは、抜かずに経過観察をすることがあります。これも歯科医師がレントゲン等を見てきちんと判断してくれるようです。 「過剰歯」はいつ抜けばいい? 「過剰歯」は、前歯が生え変わる6~8歳頃に発見されることが多いです。発見されたら早めの「抜歯」がオススメです。ある程度永久歯が生えてしまうと、歯並びは改善できないこともあり、矯正治療が必要となります。早い時期に抜歯をしておくことで、歯並びは自然に良くなっていくこともあるそう。 また、大人になってからの「抜歯」は、過剰歯が骨の奥に入り込んでしまったり、骨が硬くなってしまっていたりと、手術の負担が大きくなることもあります。早めに抜歯しておきましょう。 早期に「抜歯」をしたい一方で… ただし、就学前の子どもだと「抜歯」そのものが難しいケースも。永久歯が生えきっていない間に抜歯をしてしまうことで永久歯の根の先を傷つけてしまう可能性もあります。 そのため、埋まっている深さや永久歯の位置関係を判断して抜歯の時期を決めていきます。 「過剰歯」の手術ってどうやるの? どんな手術をするの? まっすぐに生えている過剰歯は、普通の抜歯と変わりません。一方で、骨のなかに埋まっている過剰歯の場合は、歯肉を切開し、周囲の骨を削って抜歯をする手術をすることもあります。 埋まっている過剰歯の向きや、周囲の永久歯との位置関係をX線やCTを使って把握し、骨を削る場所や取り出す方向を考えます。 どんな麻酔を使うの? 過剰歯の位置によって部分的な「局所麻酔」、もしくは「全身麻酔」をかけます。患者さんは小さな子どもがほとんど。歯の場所によって歯茎を大きく切開したり、骨を削ることもあるため、恐怖心を取り除くためにも全身麻酔を行うこともあります。 手術時間ってどれくらい? 手術時間は医師によって異なりますが、だいたい数十分~2時間程度。過剰歯の埋まり具合や根っこの形状、周りの歯との位置関係によっても手術の難易度は変わってきます。 費用は保険に準じますが、麻酔の種類や入院をするかどうかによって金額に開きがあります。数千円で済む場合もあれば、数万円かかることもあると考えてください。 術後の経過はどうなるの?…
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「唾石症(だせきしょう)」の治療はきずを小さく、専用カメラで除く

腎臓や尿道に石が詰まる尿路結石のように、唾液の出る管に石が詰まることがある。 「唾石症(だせきしょう)」と呼ぶもので、その治療に「唾液管内視鏡」という専用のカメラを使った新しい治療法が広がりつつあるようだ。 数cmの大きさの石も 米国エール大学医学大学院の研究グループが、大学のウェブサイトで2015年3月13日に報告している。 唾石症は細い唾液管の中に石ができる病気。石の大きさはペン先程度のから数cmに及ぶものまである。唾液管を完全に詰まらせると、腫れて痛み、ものを食べるときに障害となる。 研究グループの再建外科医によると、従来は頭部や首にメスを入れて、石を取っていた。それに対して、新たに普及している治療は、細い内視鏡を使うものだ。 からまでの細いカメラを唾液管の中に挿入する。その上で、石をつまみ出したり破砕したりして治す。メスで切る範囲を小さくして、痛みも少なくできるという。 かかる時間は1~3時間かかる。全身麻酔をかける。 同大学院では、週に1~2件の唾液腺内鏡を使った手術を行っている。口腔内カメラ ほかの病気にも役立つ可能性 今後は、同じように唾液腺が腫れる病気に生かせる可能性があるという。 シェーグレン症候群や再発性の耳下腺炎など、他の病気で起きる唾液腺の腫れや詰まりの研究が必要となる。腫れを繰り返す人がおり、この理由についてもさらに研究を重ねる予定となっている。 日本でも同様な内視鏡を使った治療が広がっているようで、悩まされている人であれば治療の選択肢として考えてみたい。
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周囲から嫌われないための口臭を予防する方法

口臭を防ぐためのオーラルケア マルセル・プルーストという作家の代表作である『失われた時を求めて』は、紅茶にマドレーヌを浸した時の香りが幼少時の記憶を呼び覚ます、という書き出しで始まります。 それと同じように、匂いというものは人の心を理屈ではなく感情で揺さぶるものです。 良い匂いがする異性は凄く魅力的に思えますし、どんなに顔の造形が整っていてもドブ川のヘドロが煮詰められたような臭いがしている異性には近づきたくないものです。高圧蒸気滅菌器 このように、匂いは人への好感度や印象を大きく左右します。特に口臭は親しい関係になる上での最大のネックになるのです。 口臭の原因とは何か? 口から臭う口臭の原因には、いくつかありますがその多くが身体の中に原因があるものです。 生理的口臭 生理的口臭とは、生理的な現象の結果に発生する口臭で病気を原因にしているものではありません。 例えば、寝起きで口内が乾燥しているとか、ニンニクやキムチなどの臭いが強い物を食べたとか、たばこを吸った後だとか、臭い玉が喉の奥に出来ているといったことが理由になって発生しているものです。 そのため、食事の後や起き抜けの時は生理的口臭が強く感じられることがあります。 病的口臭 病的口臭は、虫歯や歯周病、消化器系の病気、蓄膿症、糖尿病などの病気が原因となって起こる口臭です。病的口臭には病気の代表的な症状として起こる場合があり、糖尿病ではアセトン臭と呼ばれる独特の饐えた臭いが患者から感じられます。 病的口臭では、幾ら口内を綺麗にしていても、病気そのものが原因になっているから病気を治療しない限りは口臭の改善はありません。 思い込みが生み出す口臭 口臭が酷い、ということはそれだけで人間性まで否定されるマイナス要素になりうるため、「自分の口臭で周りの人が迷惑しているのではないか」と思い込んでしまう人も少なくありません。 このように、心配性であったり、思い込みが強かったりする人は実際には臭っていないにも関わらず「自分の口臭は酷い」と思い込んでしまうのです。このような状態を「口臭恐怖症」と言います。 口臭恐怖症は実際に口臭が伴わないので、医師の検査を受けても「不快さを感じるような口臭はない」という診断結果が出るものの、患者本人は「自分が傷つかないように嘘をついているんだ」と思い込んでしまうことが往々にしてあります。 また、自分には口臭が感じられるものの他人には口臭が感じられない「仮性口臭症」というケースもあります。口臭恐怖症は臭いを自分で感じられず、仮性口臭症は自分だけが臭いを感じるという違いがありますが、線引きが難しいのがネックです。 口臭を防ぐにはどんなオーラルケアが有効? 病的口臭の場合は、原因となる病気を治せば根治治療に繋がりますが糖尿病のように一生付き合っていかなければならない病気もあります。 一方、生理的口臭の場合は毎日のオーラルケアをしっかり行うことで予防・改善が期待できます。 毎日の歯磨きで歯垢除去する 生理的口臭の原因の一つであり、歯周病の元となる歯垢は歯の隙間などに残った食べカスに細菌がついて増殖し発生するものです。 食べカスや歯垢を除去するためには、毎日の歯磨き習慣が大事になります。通常の歯ブラシは歯の表面や裏側はともかく、歯の隙間までは届かないのでデンタルフロスや歯間ブラシを使って歯の隙間を掃除するようにすることが大事です。 マウスウォッシュで臭いをカット 歯磨きをしっかり行って歯垢や口臭を除去することは大事ですが、頻繁に歯磨きを行うと歯の表面が歯磨き粉に含まれる研磨剤やブラシで傷ついてしまい、逆に虫歯を引き起こす恐れがあります。 食事の後や人と会う前には、短時間で歯磨きと同等の消臭効果が得られるマウスウォッシュで口を濯いでおくのが大事です。 寝る前に水分補給する 生理的口臭の原因の一つには口内の乾燥があります。つばを手などに付けて乾かすと臭い、という遊びを子供の頃にやったことのある人ならわかると思いますが、唾液は乾燥するととても臭います。…
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要注意!誰もが陥る何気ない食生活で歯がボロボロに【歯周病対策】

歯周病は歯をボロボロにする恐ろしい病気 歯周病は世界で一番感染者が多いと言われている病気です。この歯周病とは一体どんな病気なのでしょうか? 歯周病とは、歯周組織と呼ばれる歯茎・歯槽骨・歯根膜・セメント質に起こる疾患の事を言います。これにより、歯茎が変色し腫れ上がったり、歯槽骨や歯根膜が溶ける事により歯が抜け落ちたりします。 これは、加齢に伴うものもありますが、若くても歯が抜け落ちるという事もあります。 しかし、プラークと呼ばれる歯垢をしっかり除去するなら、歯周病にかかる可能性は低くなります。 歯をボロボロにする歯周病にかからない為には、プラークコントロールが必須になります。SKL®K7超音波スケーラー なぜこれ程までに感染数が増えているのか? 先程も触れましたが、歯周病の原因となるのは『プラーク(歯垢)』です。これが口の中に多く残ると歯周病になりやすいです。 現代、歯周病にかかっている人が増加傾向にありますが、なぜ口の中にプラークが残りやすい状況になっているのでしょうか? その理由に食生活の変化があげられます。 近年の日本の食文化を例に考えてみますと、外国の食文化が入り込んできています。いわゆる『美食』や『ファーストフード』と呼ばれるものが手軽に食べられるようになりました。外国の食事に触れる良い機会ですが、歯周病の観点から考えますとプラークを残しやすい食事と言えます。 肉を中心とした柔らかい食べ物により咀嚼回数が減ってしまいます。咀嚼回数が減ると唾液の分泌が少なくなり、『唾液の働きである歯周病菌を洗い流す』という効果が薄れてしまいます。また、糖分の多い食べ物や飲み物は歯周病菌にとってエサになってしまいます。 食生活の変化が歯周病の増加に加担してしまっているのです。 食生活の改善が歯周病対策を助ける では、実際に歯周病対策をするならどのような食事を避ければ良いのでしょうか? ※ここであげる食生活は、決していけないとは言っていません。 摂取しすぎると歯周病になりやすくなるというものです。 柔らかい食物・ファーストフード パン食で肉中心のいわゆる欧米スタイルの食事やファーストフードは、残念ながら歯周病になりやすい食事です。咀嚼回数が減りますし、栄養バランスもあまり良くありません。脂質や糖分が多いので歯周病菌は繁殖しやすくなってしまいます。歯槽骨の溶解がしやすい食事です。 歯にくっつきやすい食べ物 お菓子などに多く見られますが、粘着性のある歯にくっつきやすい食べ物は大量の糖分を含んでいます。こういう食べ物も咀嚼回数は少なくなりますので、歯周病対策をするなら避けたい食べ物です。 缶ジュース・お菓子 やはり原因となるは糖分の多さです。歯周病菌の繁殖を抑えたいのであれば、多飲多食を避けるとよいでしょう。 偏食 特に野菜を嫌う傾向にあると、必要な栄養素が摂取できなくなります。また食事そのものを少食で済まし、空腹分はお菓子やジュースで補うというタイプの偏食も良くないです。 栄養バランスの整った食事をしっかりとる事が大切です。 これらの、食物を摂取し過ぎると歯周病になりやすくなります。むしろ、米、野菜や魚、豆類、海藻類など中心とした『日本食』を取り入れる方が望ましいです。加えて、咀嚼回数が増えるような固い食材も良いでしょう。食事の際に噛む回数を増やす事を意識するのも良い事です。 食生活の改善と咀嚼を増やす事でしっかりと対策できる 歯周病は、放置しておく事で歯をボロボロにし失う事になりかねない病気です。しかし、決して防げないものではありません。 私達が普段から何気なく行なっている食生活が、歯周病になりやすい状況にしていた事は驚きですが、食生活を見直し改善を行なえば十分対策する事が可能です。…
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歯を「きれい」にしたい

【歯を「きれい」にしたい】という方へ 「笑うと銀歯が見えて気になる」「歯や歯肉の色が気になる」「笑顔に自信を持ちたい」という悩みを抱えている方はいませんか?そんな方にオススメなのが「審美歯科治療」です。 審美歯科とは、歯の白さや、歯並びといった美しさに焦点を当てた歯科医療のこと。最近では、気軽に白く健康的な歯を手に入れられることから、「歯の美容整形」とも言われています。 審美歯科には大きく分けて、人口歯を歯に入れるセラミック治療、歯を薬剤で漂白するホワイトニングの2種類があります。口元の悩みを抱えている方、ぜひ一度ご相談ください。 このページでは当院の審美歯科メニューについてご紹介します。 【PMTC】息もスッキリ。ひとつ上のクリーニング 【ラミネートベニア】"歯のつけ爪"で歯を美しく見せる 【ホワイトニング】歯を削ることなく美しい輝きに 【PMTC】息もスッキリ。ひとつ上のクリーニング PMTC歯科医師、歯科衛生士などの専門家が歯のクリーニング 専用の器機を用いて、専門的にお口の中の清掃を行います。歯 垢(プラーク)が増殖すると、バイオフィルムと呼ばれる歯磨 きでは取れない汚れになります。PMTCはこれらの汚れを除去 して口腔環境を整えます。虫歯、歯周病の予防だけでなく、口 臭の改善などにも効果があります。 【ラミネートベニア】"歯のつけ爪"で歯を美しく見せる ラミネートベニアいわゆる"つけ爪"のようなものです。虫歯や神経をとって 変色した歯、加齢と共に変色した歯、先天的(生まれつき)な着色などがあ る歯を、白く美しくするのに有効的です。超音波洗浄器 また、多少の歯並びの整形や歯の形を整えることも可能です。 (1)初診時に撮影。前歯に変色と凹凸が見られます。 (2)セット後。他の歯と微妙な色調を合わせると、自然な状態が再現でき、自分の歯と区別がつきません。 <ラミネートベニアのメリット> ・歯を360度削らず、最小限削るだけで済む ※歯の表面だけを削るので、その内側は自分の歯質が残ります ・事前にホワイトニング(漂白)を併用することで、より白く自然に仕上げることができます ・ラミネートベニアをしっかりと接着することで、歯自体の強度が増す <ラミネートベニアのデメリット> ・矯正やバイオミメティックビルドアップ、被せもののように大きく歯や歯並びを変えることができないことがあります ・保険適用はありません…
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歯茎が痛いときの対処法と原因

急に歯茎がいたくなることってありますよね。歯茎の痛みは疲れているときや体調が悪いときに出やすく、体の変化を敏感に感じ取る場所でもあるのです。特に歯茎の中に原因があると痛みは出たり引いたりを繰り返します。一番多い原因の歯周病は成人の80%がかかっていて、次に多い原因の根の先の膿は治療の成功率が60~80%です。それだけ歯茎は痛くなる可能性が高いのです。今回は歯茎が痛いときの応急処置と痛みの原因および治療法についてお伝えします。参考にしてください。 1.歯茎が痛いときの応急処置 注意:この方法は根本的な解決方法ではなくとりあえず改善する方法です。 1-1.「ロキソニンS」市販の痛み止めをのむ 歯医者にすぐにいけない時は、とりあえず市販の痛み止めを飲んでください。歯茎の痛みは繰り返すことが多く、痛みが出たり、引いたりします。痛みが強い時は我慢をせずに痛み止めを飲んだ方が体が楽になります。現在市販されている痛み止めは医療機関で出されるものと成分が近いものも販売されています。痛くて何も食べられず体力が低下するより、痛み止めを飲んで体を楽にしてあげてください。詳しくは「ロキソニンやロキソニンSで歯痛を効果的に止める方法と注意すべき副作用」参考にしてください。 1-2.冷えピタで痛い部分を冷やす 腫れや痛みを減らすために冷やします。ぬれタオルや、冷えピタなどで冷やして、血液の循環を抑えます。腫れて痛い部分は、血液や膿で内圧が高くなっています。冷やすことによって多少でも内圧を下げ痛みを軽減させます。 1-3.軟らかい歯ブラシで磨く 歯茎が痛いときは軟らかい歯ブラシで磨くようにしてください。お口の中に細菌が多くなるとますます痛みが強くなります。また、痛い部分は歯茎が弱くなっているので無理に磨くと、傷がつき痛みが増してしまいます。 1-4.イソジンでうがいする うがい薬でよくお口の中を消毒してください。イソジンやコンクールなどの殺菌作用が強く、刺激が少ないものが効果的です。 1-5.よく寝て体力を回復する 歯茎の痛みは細菌と体の抵抗力のバランスが崩れた時に痛みとして出てきます。歯茎は体の変化を敏感に感じ取り、風邪を引いたり、疲れている時に体の抵抗力が下がると腫れや、痛みが出やすい場所です。休養をとって体力の回復に努めてください。 2.歯茎の痛みの原因と治療法 2-1.歯茎が腫れて痛む歯周病 swollen-gums-1歯茎の痛みで最も多いのが歯周病です。 歯周病によって歯の周り の骨が溶かされて、歯と歯茎の間に膿がたまり、歯茎が腫れて痛みます。自然に膿 が出こともありますが、何度も繰り返します。歯周病が進行すると口臭や歯が揺れるようなことが起こり 、最終的には抜けてしまいます。 治療法 早期の治療が必要になります。大きく腫れている場合は歯茎から中に溜まった膿を出します。必要であれば麻酔をし、切開をして膿を出すこともあります。腫れが引いてから歯周病の治療(ブラッシング方法、歯石除去、場合によっては外科的な処置)を行い、これい以上歯周病が悪化しないようにメンテナンスをしていきます。詳しくは「30代以上の方必見!歯周病に負けない5つの知識と3つの治療法」を参考にしてください。 2-2.歯の根の先が腫れて痛む根尖病巣 images (12)歯の根の先に膿が溜まる根尖病巣(こんせんびょうそう) が痛みの原因です。腫れと痛みは繰り返すことが多く、最後には歯が 揺れてきます。虫歯が深くなり神経が自然に死んでしまったり、根の 治療が不十分な場合に起こります。根の先の膿は鼻の副鼻腔に入って 上顎洞炎になることもあります。詳しくは「虫歯じゃないのに歯が痛 い上顎洞炎で起こる8つの症状と最適な治療法」を参考にしてください。 治療法 腫れが大きく痛みが強い場合は根の中から膿を出します。必要であれば麻酔をし、切開をして膿を出すこともあります。その後根の中を消毒する治療をしていきます。詳しくは「歯の神経の治療はなぜ何回もかかるのか?実は90%が3回以内に終わる」を参考にしてください。…
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