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年間3000人が死ぬ口腔がんは発見が遅れがち 歯科で診察を

特定の原因がなく舌の縁や頬粘膜などが白くなる白板症や、紅斑が出る紅板症は、口腔がんの前がん症状といわれる。初期ではほとんど無症状だが、白板症で7~14%、紅板症では実に50%以上の確率でがん化する。 欧米では歯科の診察による早期発見で口腔がんの生存率が改善している。一方、日本では、この30年で患者数が3倍も増加しており、しかも進行がんが多く注意が必要だ。歯科 口腔内カメラ 口の中にできる口腔がん患者は、日本ではこの30年間で約3倍に増えており、現在、年間約6000人が新たに発症し、約3000人が死亡している。口腔がんの主なものは舌がんだが、このほかにも舌と歯肉の間にできる口腔底がん、歯肉がん、口の上側にできる硬口蓋がん、頬粘膜がんなどがある。 がん全体における口腔がんの割合は2~4%と少なく、また、口の中の病気は虫歯や歯周病だけだと思われているため、早期発見が遅れるケースが多い。昭和大学歯科病院口腔外科の新谷悟教授に話を聞いた。 「口腔がんの前がん病変として白板症や紅板症があります。白板症は特定の原因がなく舌の縁や頬、歯肉などの一部が白くなるもので、7~14%の確率でがん化する病変です。口の粘膜の一部が紅色になるのが紅板症で、がん化する確率は50%以上と高率なので注意が必要です」
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口腔領域の悪性腫瘍(口腔がん)

悪性腫瘍は、上皮性の癌腫(がんしゅ)と非上皮性の肉腫(にくしゅ)に分けられます。口腔領域では肉腫も発生します が、きわめてまれで、ほとんどは癌腫で粘膜の上皮から発生する扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)といわれるものです。 口腔がんは、さらにそのできる部位によって口唇(こうしん)がん、舌がん、口底(こうてい)がん、歯肉(しにく)がん(上顎歯肉がん、下顎歯肉がん)、頬粘膜(きょうねんまく)がん、硬口蓋(こうこうがい)がんなどに分けられます。 これらのうち、舌がんの発生頻度がもっとも高く、口腔がんの約40%を占めます。そのほかには唾液腺(だえきせん)から発生する腺癌(せんがん)などもみられます。 以上のように、一口にがんといってもいろいろな場合があります。しかし、一般的に質(たち)のよい腫瘍に比べて、質のわるい腫瘍には、(1)病気の進行が速く、できもの(潰瘍、腫瘤)が速く大きくなる、(2)できものの周りが硬い、(3)周囲と癒着していて、境界がはっきりしない、(4)他の部位に転移する、などのような共通の性質があります。 【原因】 他のがんと同様に不明ですが、喫煙、飲酒、う蝕(むし歯)や合っていない義歯などが慢性的に粘膜を刺激することなどの関与が疑われる症例も少なくありません。また、前がん病変(正常粘膜と比べてがんになる可能性が高い病変)である白板症(はくばんしょう)から生じたと思われるものもみられます。 【症状】 50歳以上の男性に好発し、発生する部位や病期(がんの進行度)により、症状はさまざまです。がんの表面の特徴からは白斑(はくはん)型、肉芽(にくげ)型、腫瘤(しゅりゅう)型、びらん型、潰瘍(かいよう)型、粘膜下硬結型などに分けられています。いずれもみた目に汚く、しこり(硬結 こうけつ)があり、ときに出血や痛みを伴います。 病期が進むにつれて咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)、さらに発音が障害されるほか、口が開けづらくなったり(開口障害)します。また、リンパ流に沿って頸のリンパ節に転移し、リンパ節が腫れたりします。さらに進行すると、肺、骨、肝臓など他の臓器に転移し、全身的な症状をおこすようになります。 治療 がんのできている部位や病期、組織の特徴などを総合的に診断して、治療方針を決めますが、一般的には手術療法、放射線療法、抗がん剤による化学療法の3つの方法を、単独あるいは組み合わせ  て治療します。 治癒率は、がんの発生した部位や病期により異なりますが、口腔がん全体の5年生存率は60~70%です。初期のものではほとんどの症例は治癒しますので、恐れずにできるだけ早期に受診することが大切です。 悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ) 悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ) 50歳以上の中高年齢者に発生することが多く、男女差はありません。硬口蓋と上顎歯肉に発生することが多いのですが、下顎歯肉や頬粘膜などにも生じます。 さまざまな形や大きさの黒褐色腫瘤として認めますが、着色が明らかでない場合もあります。 また、リンパ行性あるいは血行性の転移が多く、予後(よご)は極めて悪いものです。 治療はリンパ節の郭清(かくせい)を含めた外科手術が主ですが、放射線治療や化学療法なども補助的に行われます。 悪性リンパ腫(あくせいりんぱしゅ) 悪性リンパ腫は、リンパ系の組織から発生する腫瘍(いわゆる“がん”)です。悪性リンパ腫は病理所見から、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別されます。また、腫瘍細胞の性格から、T細胞性、B細胞性、NK細胞性に分類されます。日本人の悪性リンパ腫は、非ホジキンリンパ腫が圧倒的に多く、かつB細胞性リンパ腫が多いのが特徴です。 悪性リンパ腫では、リンパ節に発生したものを節性、リンパ節以外の臓器組織に発生したものを節外性と区別していますが、わが国では節外性リンパ腫が40~50%を占め、組織学的にはび漫性大細胞型B細胞性リンパ腫が多く、ホジキンリンパ腫や濾胞性(ろほうせい)リンパ腫はまれです。光重合器 顎口腔領域では節外性リンパ腫の占める割合が高く、歯肉、上顎洞、顎骨に多くみられます。その臨床症状は多彩で、腫脹あるいは腫瘤、潰瘍を形成したり、疼痛、歯の動揺、鼻づまりなどを伴いますが、これらは悪性リンパ腫に特徴的な所見ではないため、生検(せいけん)による組織診断が不可欠です。節性では頸部や顎下リンパ節が無痛性、孤立性あるいは多発性に腫大します。これらは急速に腫大し、大きな腫瘤となります。また周囲組織と癒着したり、極度に増大すると嚥下(えんげ)障害や呼吸困難などの症状を呈します。 治療は、血液内科などと共同で複数の抗がん剤による化学療法や放射線治療が単独あるいは組み合わせで行われます。
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