腎臓や尿道に石が詰まる尿路結石のように、唾液の出る管に石が詰まることがある。

「唾石症(だせきしょう)」と呼ぶもので、その治療に「唾液管内視鏡」という専用のカメラを使った新しい治療法が広がりつつあるようだ。
数cmの大きさの石も
米国エール大学医学大学院の研究グループが、大学のウェブサイトで2015年3月13日に報告している。

唾石症は細い唾液管の中に石ができる病気。石の大きさはペン先程度のから数cmに及ぶものまである。唾液管を完全に詰まらせると、腫れて痛み、ものを食べるときに障害となる。

研究グループの再建外科医によると、従来は頭部や首にメスを入れて、石を取っていた。それに対して、新たに普及している治療は、細い内視鏡を使うものだ。

0.8mmから1.6mmまでの細いカメラを唾液管の中に挿入する。その上で、石をつまみ出したり破砕したりして治す。メスで切る範囲を小さくして、痛みも少なくできるという。

かかる時間は1~3時間かかる。全身麻酔をかける。

同大学院では、週に1~2件の唾液腺内鏡を使った手術を行っている。口腔内カメラ
ほかの病気にも役立つ可能性
今後は、同じように唾液腺が腫れる病気に生かせる可能性があるという。

シェーグレン症候群や再発性の耳下腺炎など、他の病気で起きる唾液腺の腫れや詰まりの研究が必要となる。腫れを繰り返す人がおり、この理由についてもさらに研究を重ねる予定となっている。

日本でも同様な内視鏡を使った治療が広がっているようで、悩まされている人であれば治療の選択肢として考えてみたい。