朝起きたら、何だか歯が急に痛くなってきた……。慌てて近くの病院に電話すると「残念ですが今日は予約で一杯です。」なんて経験ありませんか? 一般の病院は、予約しなくても診察するのに、歯科医院はなぜ予約しないといけないの? そんな疑問にガイドがお答えします。
歯科の診療体系
歯科医院が予約制を多く採用している最も大きな理由は、歯の治療の多くが、診療=診断ではなく、診療=診断+処置を必要とするため、一人一人の診療に多くの時間が必要になるためです。歯科医療機器

一般的には、1回の診療に概ね15分から1時間程度の時間がかかることが多いようです。
予約なのに待たされる病院の仕組み

最近ではインターネットや携帯電話で、予約を簡単に取ることも出来るようになってきましたが、それでも電話での予約がまだ一般的です。

予約したのに待たされるといったこことがどうして起きていくのか? その最も一般的なケースを見ていきましょう。

1ヶ月~1週間前
初めは、それまでの診療を受けている人が、次回の予約を決めていきます。次回の診療内容に応じて、必要な時間があらかじめ決められるので、この時点で比較的正確なスケジュールが組まれます。

3日前~前日
僅かに残るゆとりを残して、ここからさらに初診予約(新規の来院予約)、予約のキャンセルや時間の変更が多くなります。これらの変更が増えていくほど、少しづつ無理が重なりスケジュールがタイトになっていきます。

当日
予約だけですでに1日のスケジュールがギチギチで綱渡りのようなの状態になります。急患を受け入れれば、その分予約をした人が待つことになります。そのため予約した人を優先することが多くなり、急患として来院しても、1時間以上待たされてしまうケースが出てきます。さらに急患が2人3人となると数時間以上待つ可能性が出るため、時として急患のキャンセルが起こってくるのです。

実際には,病院側も対策として、予約した人を待たせることなく、急患などにも対応できる時間的にゆとりのある予約設定にしているケースがほとんどです。医療という病院の持つ役割を考えれば当然のことです。
急患にならないために……
にわかに信じがたいことですが、海外では、歯の急患を受け入れるどころか、ドクターがバカンスの長期休暇を取ってしまうという話があります。

実は歯は急に痛くなるのではなく、本当は痛くなったり治まったりを繰り返したり、何らかの違和感や歯に穴が開くなどの自覚症状が必ずあるはずで、それを放置しておいたのは、病院の責任ではないというのです。

歯は痛くなってから慌てて病院に連絡するのではなく、悪い部分があれば定期的な健診で治すもの。前もって休暇を取る期日さえ指定しておけば、何の問題も起こらないといわれます。

ここまで自己管理を求められるのも大変ですが、病院で1時間以上も待たされて「私は急患なのに、どうして……?」とならないためにも、日ごろから歯の状態に気を配っておくことをオススメします。