そこで今回は、富山県小矢部市で『渡辺歯科医院』の院長を務める渡辺智良先生に、下がった歯茎

を戻す歯磨きテクを教えてもらいました。歯茎が下がる原因についても教えてもらったので、併せて参考にしてみてください。

■1:歯垢による炎症で歯茎が下がっている場合

歯周炎とまでは行かなくても、歯肉炎で歯茎がはれてしまっている人はいませんか? 歯茎のはれ(歯肉炎)を放置していると、歯茎がやせて(下がって)しまうそう。

歯茎の炎症は歯垢(プラーク)の掃除が不十分なため起きているので、渡辺先生によれば、「歯と歯茎の境目のプラークをしっかり落とし、歯と歯茎の境目を中心に10~20往復、横にこすってください」とのこと。

「炎症がなくなれば、自然と歯茎は回復」するそうなので、炎症が出ている人は丁寧に歯と歯茎の境目を清掃してくださいね。放置していれば深い歯周ポケットができて、歯周炎になってしまうかも……。(口腔内カメラ)

■2:ブラッシングが強過ぎるために歯茎が下がっている場合

「歯と歯茎の境目の歯垢を落とさなければ駄目」と言っても、強過ぎるブラッシングはNG。歯並びなどの影響で歯茎の一部が他より薄くなっている場合もあるそうで、そうした弱い部位を強くブラッシングしてしまうと歯茎が下がってしまうとか……。

「どうしても力が入ってしまう」と言う人に渡辺先生は、「スタートとして、歯と歯茎の境目に歯ブラシを当て、横に往復せずに下から上、下から上と片道1方向で、ブラシを持ち上げるように磨いてください」とアドバイスをくれました。

歯茎を傷めない磨き方を続けているうちに、自然と歯茎は戻ってくるとのことです。一度自分のブラッシングが強過ぎるかどうか、かかりつけの歯科医師に見てもらうといいかもしれませんね。

■3:歯並びが悪くて歯茎が下がっている場合

歯並びが悪くて、1本だけ列から飛び出した歯がありませんか? 八重歯などはその典型例ですが、実はそうした前に飛び出した歯の歯茎は、他よりも一般的に薄いので、注意せずに強く歯磨きをしているとやせてしまうそうです。

「ゴシゴシとこすらず、歯茎を傷付けないで磨いてください」と、渡辺先生。具体的な磨き方は、2番で紹介した下から上に一方向で磨く方法ですね。(歯科ホワイトニング機器)

それでも歯茎が戻ってこない場合は、歯科矯正で出っ張った歯を列に戻したり、保険診療で歯茎の移植を行ったりする手もあるとか。どうしても気になる場合は、かかりつけの歯科医師に相談したいですね。

以上、下がった歯茎の原因と歯磨きテクをまとめましたが、いかがでしたか? 美しい笑顔のためにも、歯茎美人を目指してみてください。