親知らずをすでに3本抜いたものの、最後の1本が非常に深く埋まっており抜歯が難しいといわれた男性。年を取るとますます抜くのがたいへんになるのではと心配しているようですが、実際のところどうするのがよいのでしょうか。

■30代男性からの相談:「親知らずを抜く年齢について」
『親知らずが左下にあと1本残っています。残り3本は抜歯済みです。左下に関してはあまりにも深く埋まっており、以前数件歯科医院でも相談しましたが、難しいため抜歯しない方がいいと言われました。親知らずは年をとればとるほど抜くのが大変になったり、後遺症になる可能性もあると聞いたこともあるのですが、そのようなことはあるのでしょうか。もしあるのであれば早めに技術の高い歯科医院を探すなどしたほうがよいのでしょうか。(30代・男性)』抜歯鉗子
■深く埋まった親知らずを抜くメリットとリスク
深く埋まった親知らずを抜くことで、歯並びへの影響や虫歯のリスクを回避できる一方、神経や血管を傷つける大きなリスクもあります。

『どんな治療にもメリットとデメリットがあり、メリットがデメリットを上回ると思われる場合に初めて実行されます。親知らずは確かに年を取るほど抜きにくくなりますが、あまりにも骨の奥深くに埋まっている親知らずは、抜く過程で血管や神経を傷つける恐れもあり、それこそ後遺症につながる可能性もあるため、あえて触らないという選択をすることも多いです。(歯科衛生士)』
『親知らずを抜かないデメリットは、歯並びが悪くなる可能性があることや、親知らずがきれいに生えてこないために、親知らずはもとより、その隣の奥歯までが歯磨きをしにくく虫歯になってしまうことなどがあります。歯並びはどうしようもないところがありますが、虫歯になるかどうかに関しては自分のブラッシング技術によるところです。歯医者に通って磨き残しのないブラッシング技術を習得することで虫歯を予防できます。(看護師)』
『親知らずの抜歯には確かにリスクが高いことがあります。とくに親知らずが歯茎から出ていなかったり、親知らずの向きが悪かったりするとリスクが高いようです。判断するのはご自分ですが、今の時点でとくに問題がないのであれば急いで抜歯する必要はないと思いますよ。(看護師) 』
■最終的には本人の判断次第
抜くのも抜かないのもそれぞれのメリットとリスクを伴うため、最終的には本人次第ということに。十分な情報を得て主治医とよく相談の上、慎重に判断しましょう。

『決断するのがなかなか難しいところですね。すでに主治医からいろいろな説明を受けているようですので、どうするかというのは質問者さんご本人次第だと思います。(看護師)』
『歯科医師によって考え方には違いがありますし、患者さん本人の考えもありますので、どうしても気になるようでしたら、デンタルCTなどを完備している病院や大学病院の口腔外科を紹介してもらい、相談してみるとよいでしょう。(歯科衛生士)』
深く埋まった親知らずを抜くかどうかについては、それぞれにメリットとリスクが存在します。ただし抜くことによるリスクも小さくはありません。専門家と十分に相談の上、最終的には本人の判断次第ということになります。