毎日しっかりケアしているつもりでも、いつの間にかできてしまっている歯石。歯周炎や口臭の原因にもなるし、一度除去してもすぐにまた歯に付着してしまう。

ならばできるだけ付着しないような策を講じる必要があるが、歯石を予防するための正しいオーラルケアとはどのようなものだろうか。また、付いてしまった歯石は、どのように落とすのが効率的なのだろうか。M.I.H.O.矯正歯科クリニックの今村美穂医師に、そのテクニックを教えてもらった。

歯石を予防するために家庭できること

歯石とは、歯の周りに付いてしまう石のようなもの。一度付着すると、そう簡単には落とせない。歯石ができないようにするには、どのようなケアを心がけるとよいのだろうか。

「歯石は唾液の中のミネラル成分と、プラーク(細菌の塊)や血液が結びついてできるものです。唾液は体や歯にとって欠かせませんが、プラークは歯磨きとデンタルフロスを正しく使えば落とすことができます。プラークを残さないブラッシングをマスターすることが歯石予防では重要となります」。

残念なことに、個人差はあるが歯ブラシのみの場合は約60%しかプラークを除去できないというデータがある。そこで、歯ブラシに加えてデンタルフロスを正しく併用すると、約80%にまでプラーク除去率が上がる。この「2割の差」を知っているかいないかで、さまざまな疾病リスクが低減できると言えるだろう。

また、歯みがきの際に歯茎から血が出てしまう人は、早急に出血の原因を特定したほうがよい。血液もプラーク同様、歯石の原因となるためだ。

「歯周炎などで歯茎や歯周ポケット内に出血があると、その血液と唾液のミネラル成分が結びついて黒い歯石になってしまいます。歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)内の出血は自分では気づきにくいですが、出血のない健康的な歯茎を維持することが歯石の予防になります」。歯科用エアーコンプレッサー

咀嚼も歯石予防になる

また、歯の表面に傷があったり、ザラザラした状態になったりすると歯石が付きやすくなる。歯がツルツルした表面になるように美白用の歯みがき粉などを使うことは、歯石予防としても有効とのこと。さらに意外な方法では、「よくかんでよく飲み込むこと」も歯石を遠ざけるという。

「歯はかむことや食べ物と擦れることによって汚れやプラークが落ち、唾液による『自浄効果』が期待できます。歯並びなどにより、かみ合わせの相手がいない歯や機能していない歯は、歯の表面にプラークがつきやすくなるので注意が必要です」。

小さいころに親から「よくかんで食べなさい」と指導された人は多いと思うが、消化のためだけではなく歯のためにもよいことだったのだ。食事はしっかりと咀嚼(そしゃく)していただくようにしよう。