磨きをした後、歯磨き剤の泡をキレイ取り除こうとして、口の中を何度も水ですすいでしまうという方はいませんか? しかし実は、口の中を入念に水で洗い流してしまうと、虫歯予防としては”逆効果”だという事実が明らかになりました。

そこで今回は、富山県の小矢部市でクリニックを開業している歯周病専門医・渡辺智良先生の協力の下、歯磨き後の正しい口のすすぎ方をまとめてみました。

■歯磨き剤の主要な成分”フッ素”

歯磨き剤の中でも最もポピュラーな歯磨き粉には、いろいろな成分が入っています。歯を白くするための研磨剤、プラーク(歯垢)を除去するための酵素デキストラナーゼや、歯肉の収れん効果がある塩化ナトリウムなどいろいろですが、中でも多くの歯磨き剤に含まれているのが、歯を丈夫にし虫歯予防に効果があるとされる”フッ素”です。

このフッ素を口の中に0.05ppmの濃度で残すと、健康な歯からミネラルが失われる”脱灰”を防げるだけでなく、再石灰化によって歯を丈夫にすることが期待できると考えられています。歯科ホワイトニング機器

ですから、歯磨き後のすすぎは、このフッ素を適量残す程度に行うのがよいのです。だいたい1センチメートル分のフッ素入り歯磨き粉で磨いた後に、うがいをおちょこ2杯の水で行なうと、この理想的な濃度に近づけることができるのだそうです。

■歯磨き剤はすすぎ過ぎると効果減少

「歯磨き剤が口の中に残っていると気持ち悪い」と感じる人もいるかもしれませんが、すすぎ過ぎるとフッ素濃度が薄くなって、せっかくの効果が弱まってしまうのです。大人であればフッ素を口の中に残しても問題はなく、またフッ素は胎盤を通過しないので、妊婦でも問題はないそうです。

ただし子どもには上述のうがいを実践させないでください。なぜなら、永久歯の完成していない子ども(7歳まで)の歯にフッ素が取り込まれ過ぎると、”フッ素症”と呼ばれる病気になるリスクが高まるからです。子どもの歯磨きについては、たっぷりとうがいをさせてください。

以上、歯磨き後の正しい口のすすぎ方についてお伝えしましたが、いかがでしたか?

多くの方が、歯磨き後は念入りに口の中を水で流していると思いますが、すすぎ過ぎるとせっかくの歯磨き剤の効果が薄れてしまうのですね。次の歯磨きからは、”おちょこうがい”を実践してみるといいかもしれませんよ。