犬の口内炎とは?
口内炎とは、口の中で歯と舌と歯茎以外の場所の軟部組織に起こった炎症を指します。

犬の口内炎の原因について
人の口内炎は、ビタミン不足で起きることが知られています。猫の場合は免疫力低下やアレルギーが原因として挙げられています。しかし、犬の場合の口内炎はほぼすべてが歯による物理的刺激で起こっています。稀に、腫瘍などに起因する場合もあります。歯科ユニット

犬の口内炎の症状について
口内炎が起こると痛みが出て、その場所が気になったり食事をすると痛くなったりしますよね。犬の口内炎も同じような症状が起きます。食事をする時に噛みづらいような仕草をしたり、何も無いのに口周りを気にする動作は口内炎の可能性があります。

その場合、出来る範囲で口の中を調べてみましょう。普段からチェックする習慣をつけていれば異常を発見できるはずです。口内が傷のようになって赤く腫れていたり、白っぽく変色している場所があれば早めに動物病院に受信しましょう。

犬の口内炎の治療について


愛犬が口内炎の可能性がある場合は、まずはかかりつけ医を受信することをお勧めします。口内炎は歯科の範疇に入る病気ですが、犬の場合、歯科専門医は非常に少なく、ほとんどが一般的な動物病院で診療されているからです。治療に関しては、口内炎の原因によっていくつかの方法があります。

歯による刺激が原因の場合
犬の歯は特に犬歯が上下に突出して、交差する形で口を閉じるように出来ています。しかし、犬歯の乳歯が残ってしまっているケースや、老犬で歯肉炎により犬歯が歪んだり飛び出したりしていると普段は当たらないはずの歯肉に犬歯が当たって口内炎を起こします。

仔犬~若い犬の場合
たいていが乳歯の遺残による口内炎です。抜けずに残ってしまっている乳歯が、尖った先端で口の粘膜を傷つけているため起こります。ですから、遺残乳歯の抜歯が治療のために行われます。このため、全身麻酔による乳歯抜歯が必要になります。若い犬に多いため、不妊手術の際に同時に行うことを勧める動物病院が多いです。全身麻酔は体に負担をかける処置なのでなるべくならほかの処置と同時に行うのがベストです。

すでに不妊手術を終えてしまっている犬の場合、口内炎の程度によっては塗り薬で経過をみて悪化しないようであれば温存されることもあります。最終的には遺残乳歯の抜歯が必要です。歯石の除去が必要になった頃、全身麻酔で遺残乳歯を抜歯するのがベストでしょう。

老犬の口内炎の場合
歯肉炎や歯槽膿漏により犬歯やその他の歯が飛び出たり歪んだ状態になることで、普段当たらない場所にぶつかり口内炎の原因となります。この場合は、歯石などがたまっていたり、歯槽膿漏から歯肉が感染症を起こしていることがほとんどです。対策としては全身麻酔が可能なワンちゃんであれば、麻酔科での歯石除去と抜歯になります。

歯槽膿漏の場合、処置後長期間の抗生物質の内服も行われることがあります。麻酔をかけることが難しいワンちゃんの場合は、抗生物質の内服と口内炎への塗り薬がベストの治療となります。しかし、原因となる歯の刺激がなくなる訳では無いので再発を繰り返す傾向が強くなります。

まとめ


犬の口内炎は、歯の状態とのかかわり合いが大きい病気と言えます。予防するための対策としては、遺残乳歯を不妊手術の際に抜歯しておくこと。歯磨きなどを行って歯石の蓄積や歯肉炎、歯槽膿漏を防ぐことが挙げられます。愛犬の口の中をチェックする習慣と、かかりつけ医との相談をきちんとすることで予防や早期治療が可能な病気ですからきちんと防いで快適な毎日を、おくらせてあげたいものですね!