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口腔ケアとは、単なる清掃でなく、口腔機能を維持・向上させる機能訓練と、口腔清掃を行う保清の2本の柱
を持つことはもうご存知かと思います。しかし、その大切さはわかっていても日々の忙しさに追われるなかで、口腔ケア
ばかりに時間をかけることはできないとお悩みではないでしょうか?
単なる清掃をしていては、食事をしたり、痰が出たりするとまたすぐ汚れてしまいます。どんなにきれいにしても、あっという間に汚れてしまうのですから、口腔ケアをしてもしても追いつかない状況になるのです。口腔ケアをいかに効率よくウォーターピック
行っていくかを考えると、まずは生体の(ご利用者自身が持つ)自然治癒力を引き出していくことが何より大切です。具
体的には、舌や頬などの筋肉に働きかけることで、唾液を出し自浄作用を促します。そうして口腔内が潤ってくると、義
歯による傷や粘膜疾患の予防、汚れが張り付きにくい、インフルエンザなど感染症の予防のみならず、嚥下をスムーズ
にしたり、唾液量が多くなれば唾液の嚥下回数が増えることで自然と嚥下反射のための機能訓練となるという様々な
利点を引き連れてきてくれます。これらの効果は、歯のみを磨く口腔ケアで得ることは困難です。
ではこうした、唾液を出し口腔内環境を整えていくためにできる最も取り組みやすいことを考えていきましょう。歯ブ
ラシ等である程度汚れを取ったら、積極的に舌や頬粘膜に触れ、刺激をして動かしていきます。そうすると唾液が出て
きますので、それを空嚥下する(出てきた唾液を飲み込む)というパターンを繰り返していきます。その際、歯ブラシや
スポンジブラシ、指などで行いますが、歯ブラシの場合には毛先が硬いと痛みを伴い拒否の原因になったりしますの
で注意しましょう。フェイスブラシのような柔らかい毛先をもつ、ライオンの「口腔粘膜ケア用ブラシエラック510」
は、このように頬粘膜や舌を刺激するのに持ってこいです。歯ブラシのヘッドは少し大きめで毛は密で優しい刺激をし
っかりと与える事ができます。またスポンジブラシのように使い捨てではありませんから、経費も節約できます。舌の清
掃にも利用できますから幅広い使い方が可能です。(毛先柔らかさ2種類)具体的には、舌に対しては側面にブラシを当てぐっと押すようにして刺激します。左右、前後など様々な方向から圧接してみましょう。その時、相手の
舌の反発力もよく感じ取ってください。どこが一番強い力で反発できるか、反対に動きが少ないあるいは力が弱いのはどこか、さらにまったく反応がなくなされるままの時は、かなり機能低下が進んでいると考え、しっかりした取り組みが必要となります。そのほか、頬の内側にブラシを当て、上から下へ(縦に)、後ろから前へ(横に)、ななめにというように動かして、頬の粘膜を伸ばすように刺激します。このときも左右差や頬の筋肉の硬さなど感じながら行いましょう。口腔ケアの際に、2~3回でもかまいませんので加えてみてください。こうした取り組みの積み重ねにより唾液がよく出るようになり、嚥下反射の回数が増え、口腔内は自浄作用が高まるため、結果として日々の口腔ケアが楽になっていくのです。