長時間同じ姿勢でパソコンの画面を見たり、何かに熱中していると、無意識に歯を食いしばっていることありますよね?

これが原因であごへの負担が大きくなり、「口が大きく開かない」「あごが痛い」という人が増えているそうです。

なんでも、上下の歯の接触時間が健康に深刻な被害を及ぼすそうなんですが、ご存知でしたか?

そこで今回は、東京医科歯科大学准教授・木野孔司さん監修の『自分で治せる!顎関節症』を参考に、歯周病や歯のひび割れまでも引き起こす“歯の食いしばり”のリスクについてお話しします。

■1日20分以上の歯の接触が大きな負担に

口を閉じているとき、上の歯と下の歯は接触していますか? 実は、上下の歯と歯の間にわずかな隙間があるほうが、関節や筋肉にとっては楽な姿勢なのだそうです。

ものを食べたり、会話をしているときに歯と歯が接触するのは瞬間的なものです。接触する時間を合計しても1日20分程度であるのがよいそうです。

20分以上歯と歯を合わせ続けてしまうと、関節にも筋肉にも余計な力がかかり、大きな負担になるといいます。軽い接触でも、あごの筋肉に負担がかかり、更には関節が圧迫され、筋肉は緊張状態になります。

この状態になってしまう癖を、専門用語でTHC(Tooth Contacting Habit)と呼ぶそうです。

■口を閉じたときの舌の位置に注意

力を込めて食いしばるのは一瞬ですが、軽い接触は長時間化になりがちで、問題はより大きくなるといいます。

問題なのTCHであるという自覚がない人が多いということです。TCHの目安になるのは、口を閉じて歯の位置を確かめてみることも大切ですが、そのほかにも舌の位置で確認するという方法もあります。

上あごの面に舌全体がぴったりついている、または舌先が下の前歯の裏側についている、という人はTCHの可能性が高くなるので注意しましょう。

■口の中のあらゆるトラブルに

では、TCHによりどのような障害が起きてくるのでしょうか? まず、歯ぐきに負担がかかることで歯周病にかかりやすくなります。そして、歯の下部にあたる顎関節にも負担がかかり“顎関節症”(がくかんせつしょう)をひきおこしやすくなるそうです。

また、歯自身にも負担がかかり、ひび割れを起こします! それにより、血管や神経を圧迫し痛みも伴ってきます。このようにして、口全体のトラブルにかかわってくるのです。歯科機器通販

■まずは自覚することから

夢中になって作業しているとき、姿勢が悪くなっているときにTCHは起きやすくなります。また、ストレスを抱えていると全身の筋肉に力が入り、無意識のうちにあごにも力が入ってしまいますよね。

“歯を食いしばっている”と感じたら、体の力を抜いてみましょう。まずは気づくことから、そして、自分で治すという強い意志をもって生活習慣を見直していことが大切です。

以上、口全体のトラブルを引き起こそす“歯の食いしばり”のリスクについてお伝えしましたが、いかがでしたか?

これから、クリスマスパーティや忘年会・新年会などのイベントで、たくさんおいしいものを食べる機会が多くなりますね。おいしいものを不自由なく食べるために、歯と舌の関係を意識しながら、食生活、日常生活を送ってみてはいかがでしょうか?