がんの放射線治療や化学療法にはさまざまな副作用がある。放射線治療による口内炎もその一つ。

口内炎の予防と治療に効果のある新薬が検証中で、苦痛を和らげてくれるかもしれない。
がん治療の副作用
コロラド大学がんセンターから、2015年8月に紹介されている。

がんの治療中には、さまざまな副作用が出てきて、がんを抱える本人を苦しめる。その中には、疲労、吐き気、嘔吐や、痛みなどがある。

その一つが、口内炎。放射線治療の副作用としてよく見られるが、これまであまり注目されてこなかったと研究グループは説明する。

なぜ口内炎ができるかは、細胞が傷付けられるから。がんの放射線治療は、がん細胞を破壊し、同時に健康な細胞も傷付けている。口の中の細胞は急速に分裂しており、放射線治療による影響を受けやすい。回復するのが間に合わず、口内炎や感染症を起こす。
炎症の経路をブロック
新しい薬剤候補は、重要な炎症経路をブロックするという。「形質転換成長因子β(TGFb)」「NFKb」と呼ばれるものに働いて、感染に対する免疫反応を調節するもの。歯科用高圧蒸気滅菌器

脳腫瘍と、頭頸部がんで臨床試験が進められる。放射線治療を受けている期間中、週に2~3回、点滴で投与される。

将来的にはさらに多くのタイプのがんに使えるようになるだろうと、研究グループは予想している。

さらに、薬剤候補に抗がん作用もある可能性が示されたという。

口内炎を治療することで、生活の質が大きく改善される。実量化されると、大切な治療となりそうだ。