歯の一番奥側に生えてくる親知らず。必ず生えるわけではないですが、親知らずがある人は少なくないようです。歪んで生えてきたりと何かとトラブルになりやすい親知らずですが、放っておくと歯茎にまで影響を及ぼすことがあります。

■30代男性からの相談:「親知らず周辺の歯茎の炎症を何年も放置しているが治療の必要は?」
『一番奥に、親知らずが少し斜めに生えていて、周辺の歯茎が炎症を起こして我慢できないほどの激痛が走ることもあります。それに歯茎が全体的に赤くなっていて、歯を磨いているときや口をゆすいだときに出血が見られます。親知らずは虫歯になりやすいと聞きますし、歯茎からすぐ出血するのは歯周病だと聞きます。何年も放置しているのですが、早く治療した方がよいのでしょうか。(30代・男性)』光照射器 歯科
■できれば抜いた方がよい
きちんと真っ直ぐ生えていて、通常の歯と同じ役割を果たしている場合を除き、一般的に親知らずは抜いてしまった方がよいとされているようです。

『まっすぐ生えて噛み合わせに貢献している、歯や歯茎の腫れなどのトラブルがない場合を除いては、一般的に、親知らずは抜歯する方がよいとされています。(歯科衛生士)』
『おっしゃるとおり、親知らずは歯磨きがきちんとできずに細菌がたまって虫歯になりやすいですし、虫歯になった場合きちんと治療するのも難しいです。(歯科衛生士)』
■智歯(ちし)周囲炎と呼ばれる状態
親知らずは、またの名を智歯(ちし)といい、親知らず周辺の歯茎に炎症が起こり腫れたようになる状態を「智歯周囲炎」といいます。智歯周囲炎を放っておくと、ひどい場合は呼吸困難などを引き起こす原因になることもあると、歯科衛生士さんは説明しています。

『現在、親知らず周辺の歯茎が炎症を起こし、出血や痛みがあるということですので、専門的には「智歯周囲炎」と呼ばれる状態です。(歯科衛生士)』
『何年も智歯周囲炎を繰り返しておられるようですが、放置すると高熱やリンパの腫れ、舌下・顎下の炎症による呼吸困難や敗血症など、生命にかかわる危険を引き起こすこともあり、軽視できません。また炎症のあるときにはすぐに抜歯できませんので、炎症のないときに歯科を受診し、その際に、智歯周囲炎を繰り返していることを医師に伝えてください。(歯科衛生士)』
親知らずは、特に問題ないこともありますが、生える場所ゆえに歯磨きがしにくく、その多くは虫歯にもなりやすいです。また現在、智歯周囲炎と呼ばれる状態のようですが、このまま放置すると、さらに悪化する可能性があります。これ以上ひどくなる前に、早めに歯科を受診した方がよいでしょう。