歯科医による診療では、歯を調べるのみならず、違法薬物の検査もできるという報告が出ている。
米国の歯科医を対象に検証
米国コロンビア大学のメールマン公衆衛生学部のリサ・メッチュ氏らの研究グループが、アディクション誌において2015年8月に報告。同大学も紹介している。

研究グループは、2010年2011年にかけて行われた全国調査によって歯科開業医1802人を抽出して検証。71%から回答を得て分析している。
女医が積極的
調べたところ、業務の一環として薬物使用検査を実施している歯科医の86%。責任とまで捉えているのは68%とやや低かった。

年齢の高い歯科医は、若い歯科医と比べて消極的となっていた。卒業が最近であるほど積極的という結果。

さらに、男女差も関連していた。女性の歯科医61%は歯科医の役割と考え、男性の歯科医の52%よりも多かった。
歯科医が薬物を止められる
薬物使用は、歯の健康だけでなく、健康全般を損なう可能性があると説明。歯科ユニット

覚せい剤のメタンフェタミンを原因とする症状には、ひどい虫歯、歯質表層の損失増加、進行した原因不明の歯周病、複数の欠損歯などがあるという。このような症状がある人は、かぶせ物やホワイトニングのような審美的な治療を求めることが多いと解説する。

歯科医は薬物使用についてさらに尋ねたり、薬物を止める治療を勧めたりする機会があるということだ。

日本でも薬物問題は起こっており、関心を集めるところはあるかもしれない。