インプラントを使った治療というと、歯が無くなった部分にインプラントを埋め込み、義歯をつけるのが一般的ですが、歯列矯正のインプラントはそれとは異なります。ここでは、歯列矯正のインプラントについてご紹介します。

そもそもインプラントとは?
インプラントの臨床応用は、1960年代の半ばに始まりました。その臨床結果が世界的に知られるようになったのは1980年代からで、あごの骨に人工歯根を埋め、そのうえに義歯をつけるといった方法が一般的です。これにより歯根がない部分にも義歯を入れることができます。X線フィルム自動現像機ただし、インプラントを埋める部分の骨が弱くなっている場合、この治療方法が取れない場合もあります。また、歯周病になっている人は骨が溶けやすく、インプラントの寿命が短くなってしまう場合があるので、まず歯周病を治療してからインプラントの手術を行うようにしましょう。

矯正期間が短くて済むインプラント
矯正にもインプラントが使われることがあります。これは義歯を装着するためのインプラントとは異なるものです。矯正用インプラントには、MIA(マイクロインプラント)とSMAP、K-1システムといった種類があります。

・SMAP

歯列全体を動かすのに向いているプレートタイプ

・K-1システム

ねじ式で比較的短い距離の歯の移動に用いられる

・MIA(マイクロインプラント)

サイズが小さいねじ式のインプラントで、小型のため短時間の手術で埋め込むことが可能

インプラントを使った矯正は、インプラントを支点として、ワイヤーで歯列を引っ張ることで、歯をより動きやすくし、短期間で効率よく歯列矯正ができるというメリットがあります。通常2~3年かかるような矯正でも、半年から1年ぐらいででき、抜歯や外科的手術が必要なケースでも、これらをせずに矯正できまし。

インプラント矯正時の注意点
矯正に使用したインプラントは矯正が終わったら除去するのですが、SMAPの場合は、取り除いた後の数日間、顔が腫れることがあります。また、インプラントを装着しているときは周囲を不衛生にしていると、歯肉炎などが起こることがありますので、口の中を清潔に保つよう気をつけましょう。

このように、インプラントを使った歯列矯正にもさまざまな方法があります。どの方法で矯正を行うか、治療にかけられる期間や予算、それぞれの注意点などをもとに、自分に合った治療方法をドクターに相談しながら決めていきましょう。