歯に白斑を見つけたら……
口の中に存在するむし歯の原因菌「ミュータンス菌」がつくる酸によって、歯のエナメル質のミネラル成分が溶けてしまうことがあります。その溶けた部分は透明感を失って白濁して見え、その白斑が「初期むし歯」といわれるものです。

この段階ではまだむし歯の穴はなく、痛みなどの自覚症状もありません。
大切なのは、歯の再石灰化!
この初期むし歯が進行するか改善されるかは、「脱灰」と「再石灰化」のバランスに左右されます。

歯の再石灰化とは、唾液の成分が酸を中和したり、酸により溶かされた歯のミネラル成分を元に戻すことをいいます。もし、このまま脱灰が進めばむし歯が大きくなりますが、 再石灰化がより促進されれば、脱灰された状態が回復されるようになるのです。
初期むし歯を進めないためにすべき4つのコト
初期むし歯を進めないためには、以下の4つのポイントを意識するとよいでしょう。

1. 歯垢をブラッシングなどできれいに落とすこと
フッ素や薬用ハイドロキシアパタイトを配合した歯みがき剤の使用も効果が期待できます。

2. 唾液の分泌を促進し、再石灰化を促す

3. 唾液を多く出すためにガムを咬む

4. 食生活を見直す
食事の回数が多くなったり、だらだらと長時間食べたり飲んだりしていると、歯は脱灰しやすい環境になります。
歯の白濁、ほかに考えられる原因は……?
初期むし歯意外に考えられる白濁の原因は、以下が考えられます。

● フッ素症
歯の形成期や永久歯では、出生から満8歳までの間に高濃度のフッ化物を含む飲料水を継続的に飲用すると、歯のエナメル質が白く濁る「フッ素症 (斑状歯)」 が発生することがあります。

● エナメル質形成不全
何らかの障害により歯の形成が阻害された部位に発生します。乳歯の大きいむし歯や外傷で永久歯に影響することもあります。 歯科用無影灯
【歯科医師からのアドバイス】
初期むし歯の場合には、白濁部位に特殊な樹脂をしみ込ませて、エナメル質を強くする治療法もあります。「フッ素症」や「エナメル質形成不全」は白濁の部位や大きさに個人差があるので、医師と相談して最適な治療方法を選ぶとよいでしょう。