卒園式や入園式といった時期は、子どもの写真を撮る機会が増えますよね。写真を見ていて、ふと気になるのが子どもの歯並び。「あれ、もしかしてうちの子、歯並び悪いのかしら?」なんて気になっているママもいらっしゃるかと思います。

でも、小さな子どもの歯並びは、一体どのようなタイミングで相談したらいいのか、よく分かりませんよね。

今回は、ママ歯科医である筆者が、“年齢別子どもの歯並びチェックポイント”についてお伝えします。

■ 1~3歳の年齢別歯並びチェックポイント

・1歳

この時期で心配なのは、歯の本数です。前歯2本がくっついている癒合歯(ゆごうし)が生えてくることもあります。この場合、後に生え変わる永久歯も癒合するかどうかは、まだ分かりません。この時点ではくっついた箇所が、むし歯になりやすいので、気をつけましょう。

1歳半歯科健診では、むし歯や歯並び、咬み合わせのチェックを受けましょう。

・2歳

2歳のお誕生日の頃は16本生えている子が多いです。2歳半頃から、1番奥の第2乳臼歯が生え始めてきます。奥歯が生えそろうまでは、咬み合わせは不安定なので、様子を見ていきます。

指しゃぶりやおしゃぶりで、前歯の出具合が気になる場合があります。おしゃぶりは2歳のお誕生日に卒業をオススメしています。指しゃぶりは、4歳頃まで様子を見ていきましょう。

・3歳

乳歯が全部生えそろう時期。これまでよくわからなかった、歯並びや咬み合わせの異常も判明してきます。

歯と歯の間に隙間がなく、狭くてデコボコと並んでいる(叢生)場合は、噛みごたえのある食材を使ったり、よく噛んでから飲み込むようにしましょう。よく噛むことで、歯の生えている顎の骨の成長につながります。歯と歯の間に隙間があると、生え変わりもスムーズです。
■歯医者さんに「歯並び」を相談するタイミングは?

では、どんなときに咬み合わせや歯並びの相談をすればよいのでしょうか。

もちろん、心配な点があれば“いつでも”相談して大丈夫です。

3歳までの小さな子どもの歯並びは、まずは小児歯科でチェックしてもらい、必要があれば矯正歯科を紹介してもらうという流れがスムーズかと思います。赤ちゃんの頃から通い慣れた歯科医院で、むし歯のチェックとともに、小さな頃から咬み合わせも診てもらうと、子どもも慣れた環境なので、ママも相談しやすいかと思います。

次のような咬み合わせの場合は、ママが気づいた段階での受診をオススメします。

(1) 咬み合わせが逆の「反対咬合」(はんたいこうごう)

下顎が上顎よりも前に出ている状態です。歯の生える方向のせいなのか、顎の大きさの問題なのか、家族にも同じような咬み合わせの人がいるかどうかなど、背景に隠れている問題は様々です。小児歯科の専門医や矯正歯科の専門医で、様子を見ていてもいいのか、治療のタイミングなどを相談すると安心です。

(2) 下顎が横にずれた状態の「交叉咬合」(こうさこうごう)

片方の咬み合わせだけ上下の咬み合わせが逆になった状態です。この状態が続くと、顎の成長方向に影響が出る可能性や、顔の形が非対称になるおそれがあります。まずは、小児歯科の専門医や矯正歯科の専門医の診断を受けましょう。この咬み合わせの場合は、小児歯科では早めの治療をオススメしています。歯模型

いかがでしたか?

最近は、むし歯だけでなく、小さな子どもの歯並びや咬み合わせの相談が増えてきていると感じます。

咬み合わせや歯並びに少しでも不安を感じたら、まずはかかりつけ医に聞いてみましょう。そのためにも、歯が生えてきたら歯医者さんデビューして、定期的に歯並びや咬み合わせもチェックしてもらうと安心ですよ。