仕事上や人付き合いのエチケットにおいて、口臭ケアは欠かせません。今回は日頃からデンタルケアを行っているにも関わらず、くしゃみの際に自分の口臭が気になるという男性からの相談です。くしゃみの時に口臭がする原因は一体何でしょうか。

■20代男性からの相談:「非喫煙者でデンタルケアも欠かさないのに・・・」
『くしゃみをした後に、自分の口から臭う時があります。普段から歯磨きやデンタルリンスなどで口臭ケアには気を遣い、周囲からも口臭を指摘されたことはなく、タバコも吸っていません。しかし、くしゃみをした時だけは自分の口臭が酷く気になるのです。なぜこのような現象が起こってしまうのでしょうか。また、これは何か別の病気から誘発されている状態なのでしょうか。(20代・男性)』
■口臭が起きる原因
唾液の減少や歯垢などが原因とも考えられますが、くしゃみの時だけ口臭が気になる場合は、耳鼻関係の疾患が隠れている可能性もあります。

『くしゃみをした時の口臭の原因は、舌についた白い苔のようなもの(舌苔)や、磨き残しの歯垢によるもの、口腔内の乾燥によって、唾液内のタンパク質や酵素が濃縮されていることが考えられます。歯磨きをして、デンタルリンスを使用するのはいいことですが、磨き残しのないよう、歯科診療ユニット歯間ブラシも使って隅々の歯垢も取り除いてください。(消化器科医師)』
『くしゃみをしたときに自分の唾液の「よだれくさい」ようなニオイが気になることはよくあります。唾液が臭う原因としては、虫歯や歯周病、歯垢や舌苔、ストレスや口呼吸などによる唾液の減少が考えられます。普段から口腔衛生に気を遣い、口臭も気にならないということですので、口腔内の原因というよりも耳鼻科の原因を疑ってみる必要があるかもしれません。(歯科衛生士)』
■念のために耳鼻科の受診も
十分な口腔内ケアを行っても臭う時は、鼻の疾患を疑って耳鼻科を受診されるとよいかもしれません。

『舌苔があれば舌ブラシで優しく除去し、その後にデンタルリンスを使用してください。過度な掃除は舌を傷つけて逆効果になりますので、やりすぎには注意しましょう。唾液の分泌が低下している場合は、食事の前に耳の下から顎にかけて唾液腺を軽くマッサージし、よく噛んでゆっくり食べるようにしてください。また虫歯や歯肉炎の確認や歯石をとるためにも、定期的に歯科受診するとよいでしょう。(消化器科医師)』
『くしゃみが臭う原因のひとつに、慢性副鼻腔炎、俗にいう蓄膿があります。風邪の後などに副鼻腔にバイ菌が入って感染・炎症を起こすもので、頭痛や黄色い(または緑の)鼻水などの症状が見られます。また後鼻漏といって、喉の奥のほうに鼻水や膿、細菌が流れるため、くしゃみをすると唾液だけではない悪臭のする飛沫が飛び出すことになります。心当たりのある場合は、早めに耳鼻科受診をお勧めします。(歯科衛生士)』
口臭は口腔内からだけではなく、耳鼻関係の疾患から発生する場合もあります。気になるようでしたら、定期的な歯科検診の他に、耳鼻科での検査も受けられるとよいでしょう。