カナダ、ブロック大学の研究者らは、歯周病の症状のひとつ、歯周炎の治療後の改善に野菜や果物の摂取が有効である可能性が高いと発表した。

歯周炎は歯の周囲の組織が細菌に感染することで炎症を起こした状態。歯肉が弾力を失い歯周ポケットができてしまい、さらに炎症が進むと歯肉の腫れや出血を起こし、最悪の場合、歯が抜け落ちることもある。

研究では、慢性的な歯周炎で歯科医に治療に通っている患者86人を対象に、野菜や果物、歯模型そのほかの栄養成分の摂取状況と、歯周炎の改善状況の関係を調査した。

歯周炎の改善は、歯周ポケットの深さを測り、浅くなるほど改善したものとみなしており、野菜や果物の摂取状況は患者へのアンケートで調査している。

その結果、野菜や果物を積極的に摂取していた患者は、そうでない患者にくらべ歯周ポケットの深さが最大で15ミリ以上改善していた。また、野菜や果物ではなく、サプリメントなどでβカロテンやビタミンC、αトコフェロール、EPA、DHAを摂取していた人でも改善が見られた。

なお、喫煙者の場合、改善効果は見られなかったという。

発表は米国栄養学会誌「Journal of Nutrition」オンライン版に、2015年9月30日掲載された。