Archives for May, 2016 - Page 2

見た目損なわない「裏側矯正」注力 渋谷矯正歯科院長・東海林貴大さん

歯科矯正というと、歯の表面に取り付けられたワイヤを思い浮かべる人は多い。咬合不全から生じるさまざまな不具合の解消のために重要な治療だが、それによって一定期間、審美面が損なわれるのも事実。そこで、見た目には治療中であることが分からない「歯の裏側」からアプローチする歯科矯正に取り組む歯科医師がいる。 東京・渋谷、宮益坂の途中にある渋谷矯正歯科は、3年前に青山から移転してきた矯正歯科専門クリニック。院長の東海林貴大(たかひろ)歯科医師は、祖父から続く歯科医家系の3代目。歯学部卒業後は、父から「歯科の中でも最も難しい領域」と言われていた矯正歯科を専門に選び、大学病院などで実績を積んできた。中でも高度な技術を必要とする「裏側矯正」では国内屈指の症例数を誇り、ネットなどでその情報を得た患者が全国から集まってくる。 「3Dプリンターでその人ごとの歯の模型を作り、その人にとって最も理想的な歯並びを描いていく。それを見ることで、患者さんも矯正後の自分の歯の姿が分かり、治療に積極的になれるのです」電気的根管長測定器 積極的に歯を見せて笑う欧米人と違って、「歯並び」に重要性を置かない時代が長かった日本人。しかし近年、審美性だけでなく、歯並びやかみ合わせが全身の健康状態と密接な関係を持つことが解明されるに従い、矯正歯科へのニーズは急速に高まりつつある。 「患者満足度の高い治療を実践するのはもちろんですが、一方で技術力の高い矯正歯科を普及させていく必要を感じています」と東海林院長は言う。矯正歯科をベースにした高品質の一般歯科をめざす若い歯科医師の育成に力を入れるべく、渋谷の本院の他に今月には横浜に、今年夏をめどに池袋にもサテライトクリニックの開設を予定している。 「日本人の歯並びを欧米人並みに美しくするのが目標です」と笑う東海林院長。その実現に向けた取り組みは、確実に前進している。 (長田昭二)
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インプラント後の口臭の原因

インプラント治療を受けた後の口臭について、その原因と対処法を解説します。 インプラント治療後の口臭の原因になるもの インプラント治療後の口臭として考えられる主な原因、および対処法についてまとめています。 (1)不十分なブラッシング ブラッシングが十分に行われていないことで、インプラントと上に被せた人工の歯が接合している部分に磨き残しができ、プラーク(歯垢)や歯石が付着してにおいの原因になっていることがあります。 <対処法> 歯科医院でインプラント義歯の正しいブラッシング方法について指導を受け、定期的にプラークや歯石を取り除いてもらいましょう。被せた人工の歯の形態によって口臭を引き起こしている場合には、作り直しになることもあります。 (2)インプラントのネジの問題 インプラントには、上から被せるタイプのほかにネジで人工の歯と連結するものもあります。ネジが緩んだり折れたりして空いたパーツの隙間に、プラークや雑菌が入り込んでにおいを発することがあります。 <対処法> 取り外せるパーツを洗ってネジの交換や締め直しを行ってみましょう。 (3)インプラント上部構造にできた隙間 セメントで人工の歯を合せて接着するタイプのインプラントでは、噛み合わせや人工の歯の接着の問題などでセメントが流れ出てしまうことがあります。流れ出て空いた部分にプラークや雑菌が入り込むとにおいの原因になります。ウォーターピック <対処法> 噛み合わせを調整したり、人工の歯の部分を作り直したりして接着するセメントが流れ出ないようにします。 (4)インプラント周囲炎 インプラント治療を行った箇所で、細菌感染によって発生する炎症をインプラント周囲炎と言います。このインプラント周囲炎によって起こる歯茎の腫れ、出血、膿がにおいの原因となります。 <対処法> 初期段階であれば適切なプラークコントロールを、汚れがひどければ歯科医院でインプラントの表面をきれいにしてもらうようにしましょう。ひどく進んでいる場合は、歯肉を切開してインプラントの汚れを取り除き、歯周ポケットを切除する手術が必要になる場合もあります。食習慣の改善や禁煙も効果があります。
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歯周病菌と関連疾患

歯周病とさまざまな病気に関連性があることがわかってきています。歯や歯肉の血流も元は心臓から血液循環しており、口腔(こうくう)内に菌が増殖すると血流に乗って細菌が全身を駆け巡ります。虫歯や歯周病を引き起こす細菌はいろいろな毒性物質を持っており、それらの悪い成分が健康に影響を与えます。 (1)糖尿病 糖尿病になると細菌感染しやすくなります。血糖値が上がると免疫が低下するため、炎症が起きやすく歯周病も悪化します。健康な人に比べ糖尿病の患者さんは、歯周病が急激なスピードで進行しやすいといえます。 歯周病菌が炎症を起こしたときに生じるサイトカインという炎症物質が血流に乗って肝臓や内臓脂肪を刺激し体内のインスリンの働きを低下させます。 (2)心筋梗塞・脳梗塞 狭くなった血管にできる血栓に歯周病菌や歯周病菌の出す毒素が関与している疑いがあります。 心臓、脳などの狭くなった血管に血栓ができ、それがはがれて血管が詰まり心筋梗塞や脳梗塞をひき起こす原因となると考えられています。歯科ユニット (3)誤嚥(ごえん)性肺炎 お年寄りなど、飲み込む嚥下(えんげ)反射や吐き出す咳(せき)反射が弱い場合、歯周病原細菌と唾液を誤って肺や気管支に入り込み肺で炎症をおこします。 (4)ニコチン依存症と関連疾患からなる喫煙病 歯周病の直接原因は磨き残し汚れのプラークですが、歯周病の発症や進行に喫煙が大きな危険因子になるとされています。1日の喫煙本数や喫煙歴と歯周組織の破壊程度が相関すること、非喫煙者と比較して喫煙者は歯周病が進行しやすいことがわかっています。 ニコチンの血管収縮作用により血流量が低下し細菌から歯を守る歯肉溝浸出液量が低下します。血行が悪いため歯周病が重度に進行しているわりには歯肉からの出血、はれが軽度に見え炎症を起こしているかどうか分かりにくくなります。 ◇ 歯周病菌との因果関係が明らかなもの以外にも、関与の程度に違いがあるものや解明がまだ十分でないものもありますが、全身の健康のためにも引き金となる歯周病菌の除去が大切です。病気の予防は口の中を清潔にすることから。菌が全身に拡散しないためにもセルフケアと定期健診、歯石除去でお口の清潔と健康を心がけましょう。
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歯石への疑問を解決!自分で取れる?取る頻度は?

歯を舌で触るとザラザラ、歯磨きしてもこのザラザラしているところがとれない。歯と歯の間に白から黄色い物がついている。それが歯石なのです。歯石をそのままにしておくと歯周病や口臭の原因になってしまいます。歯石は自分で取れるの?どのくらいの頻度で取ればいいの?ここでは、そんな歯石に関する疑問にお答えします。 そもそも歯石って何? プラーク(歯垢)が長期間歯の表面についていると、唾液の中に含まれるカルシウムやリン酸がプラーク中に取り込まれ、石のように硬くなったものが歯石です。プラークが付いたままになっていると、約2週間で歯石になってしまいます。 歯石の成分の約80%はリン酸カルシウム。歯石そのものはむし歯や歯周病を引き起こしません。ですが、歯石の表面がざらざらしているため、細菌が増えてしまいやすい環境を作ってしまいます。なので、歯石は歯周病や口臭の原因となるのです。 歯周病の原因に関して詳しくは「歯周病の4つの原因・・・もしやあなたも共犯者!?」をご覧ください。 歯石にはどんな種類があるの? ■歯肉縁上歯石(しにくえんじょうしせき) 歯肉より上の歯の表面についているものを歯肉縁上歯石と言います。白っぽい色で柔らかく、鏡などを使えば自分で発見することができます。これは、比較的除去しやすい歯石です。 ■歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき) 歯周病が進行し、歯と歯肉の隙間(歯周ポケット)が深くなったところにできるものを歯肉縁下歯石といい、血液の成分が含まれるため黒褐色で硬く取り除きにくいのが特徴です。自分で見つけることができません。 歯石はどこに付きやすいの? 歯石は唾液の成分が固まったものです。そのため、唾液腺から唾液が出てくるところ(上の奥歯の頬側、下の前歯の舌側)に歯石がつきやすいです。一方、唾液は自浄作用という汚れを洗い流す効果もあります。なので、唾液の流れが悪いところに歯石は付きやすいのです。 特に、 上の奥歯の頬側 下の前歯の舌側 歯周ポケットの中 噛んでいない歯の表面 に歯石が付きやすいと言われています。 歯石は取らないといけないもの? 歯石は多くの細菌の住みかとなってしまい、歯周病の原因菌は、歯石の中からコラーゲン分解酵素やタンパク質分解酵素を出して歯周病を進行させてしまいます。また歯周ポケットに歯石ができると、歯石がザラザラしているため、歯肉を刺激して、炎症の治りを悪くしてしまいます。 そのため、歯石を放っておくと、歯周病が進行してしまったり、口臭の原因になったりと不愉快な症状の原因となってしまいます。歯石は歯磨きでは除去することができません。歯科医院で定期的に歯石除去(スケーリング)することが必要です。 歯石は自分でとれるの? 歯石の除去には、そのもととなるプラークの量を減らすために、毎日のブラッシングが肝心です。しかし、どうしてもプラークは取り残してしまうもの。そんなところから歯石は形成されてしまいます。 一旦、歯石ができてしまうとは歯磨きでは取れません。なので、定期的に歯医者さんにかかって歯石を除去してください。 歯石はどうやってとるの? 歯科医院ではスケーラー(手用スケーラー、超音波スケーラー)という器具を使って機械的に剥がし取ります。 ■手用のハンドスケーラー 歯石の取り残しが起きやすいところや超音波スケーラー歯肉縁下歯石に使用します。 ■超音波スケーラー・エアスケーラー 歯石が大量に付着しているときや歯肉縁上歯石の除去に使用します。…
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1歳2カ月で虫歯発覚!押さえつけて治療するのが本当にベストなの?

娘は生後5ヵ月で最初の歯が生え始め、1歳になった時点で8本生えていました。 歯が生えるのが早いと歯磨きが大変だと聞いていましたが、本当にきつかった! 抵抗が激しいのなんの。 毎晩、押さえつけたりなだめすかしたりして、どうにか磨いていました。 歯の根本の部分が白いのに気づいたのは、1歳になったばかりの頃。 乳歯は柔らかく虫歯の進行が早いらしいので、とにかく確かめようと近所の小児歯科へ。 やはり初期虫歯でした……しかも歯の根本だけでなく、前歯の間も含めて4本も。 歯磨きはもちろんのこと、虫歯になりやすいものは与えず、大人からの虫歯菌の感染にも気をつけていたので、それはそれはショックでした。 虫歯の原因として考えられるのは母乳。 当時はまだ授乳中でしたし、娘は夜中でも2~3時間ごとに目を覚ましては泣いてはそのたびに授乳していました。 母乳は虫歯の原因にならないという説もありますが、娘の場合、それ以外の原因が考えられませんでした。 歯科医師の話では、なるべく早めに初期虫歯の部分を削ったほうがいい、と。 娘の体をバスタオルでくるみ、さらにその上からネットで包んで、子どもが暴れられない状態に固定して削るべきだ、と……。 まだ1歳なのに? 虫歯になりきっていない状態なのに? 無理やり体を押さえつけて? 5分程度で終わりますよ、と言われましたが、診察ですら一苦労だったのに体を固定するなんて。 押さえつけられることを嫌がって無我夢中で抵抗するだろうし、無理やり口を明けられて恐怖を覚えるはず。 だって1歳ですよ! そのせいで娘が歯医者を大嫌いになるであろうことも予想できるし、1歳の娘にその恐怖を味あわせることに納得できず、病院を変えました。 2軒目の小児歯科は駅前のクリニック。 規模が大きくて、歯科医師がたくさん所属しています。 そこでも初回診療時に光照射器 歯科 「次回来院時に、お子さんの体を固定して虫歯を削りましょう」 と言われました。 やっぱり削るしかないのか……と半ばあきらめ、次回覚悟して来院したら、初回対応した医師とは別の方でした。 その先生いわく、 「こんなに小さい子だと暴れて事故が起きやすいので、危なくて削れません。大きくなるまで待ちましょう」 だって。…
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歯列矯正やブリッジ など「白い歯」を手に入れる治療法

歯列矯正やブリッジ を上手に活用すれば見た目の印象を向上させることができます。 お笑いコンビ「ハリセンボン」でおなじみの箕輪はるかさんが、黒くなった前歯を白くしたということで注目されています。小学生のときに転んで前歯をコンクリートに打ち付け、歯の神経が死んでしまったという箕輪さん。母親に治療を勧められたものの遠慮してしまいできなかったそう。 そんな箕輪さんが今回臨んだのは「ブリッジ」という治療法です。いったいどんな治療なのでしょうか? 「ブリッジ」ってどんな治療? 「ブリッジ」とは、虫歯や歯周病などが原因で抜歯した人が行う治療法のひとつです。歯を抜いたままにしておくと、隣の歯が傾いたり噛み合わせが悪くなったりしてしまうもの。それを防ぐため、抜いた歯を補うものとして「ブリッジ」という方法が使われます。 ブリッジは抜いてしまった歯の人口歯(ポンティック)を作り、両隣の歯にかぶせて人口歯を支えるというもの。人口歯に前後2本の歯をかぶせるため、3本分の治療費が必要になります。治療期間は早ければだいたい2回ほどで終わります。治療の流れは次の通りです。歯科ユニット 1:弱った歯を支える前後2本の歯を「ブリッジ」が入る形に削る 2:削った歯の土台の形をとる 3:上下のかみ合わせをとる 4:1~2週間で完成 5:できあがったブリッジを口の中で調整する 6:セメントでつけて固まるまで待つ ブリッジを作る期間は、金属であれば1週間、セラミックにするなら1~2週間ほどで完成するようです。 「ブリッジ」のメリット ブリッジは歯を土台にしているため、周りの歯と同じ感覚で食事を楽しむことができます。また、歯茎を切ったり骨につなげたりせずに治療を行うため、糖尿病や高血圧の人でも安心して受けることができます。ブリッジはしっかり接着剤で固定するため、取れてしまうという心配もありません。 「ブリッジ」のデメリット ブリッジのデメリットは、抜歯した前後に歯がないとできないこと。また、土台となる歯が健康であっても削ってしまうため、歯の量が少なくなってしまう面もあります。前後2本の歯が、人口歯を支える必要があるため、割れてしまったり揺れてきてしまったりする恐れも。人口歯以外の歯への負担が大きいのがブリッジのデメリットです。 ブリッジには保険適応の材料もある! 気になる治療費ですが、ブリッジをする場合、両隣の歯の治療費用や人工歯の費用を含めて20~33万円が相場だと言われています。ただ、ブリッジには保険適応の材料もあります。これは、「臼歯部のメタルのブリッジ」と「前歯のレジン前装冠」と呼ばれる唇側の見えるところは白い材料で裏側が金属のものは保険が適応されます。 この場合、部位にもよりますが上顎前歯部の3本の例で約2万円の自己負担で行うことができます。 表面は白色のものになるため、審美的にはそれほど劣りません。 歯列矯正やブリッジ で自分に自信を! また、箕輪はるかさんの場合は抜歯をしてブリッジを行っていましたが、歯の神経が死んで変色していただけの場合に抜歯することはほとんどありません。通常は、もとの歯に歯に被せものをすることがほとんどです。自分の歯がどのような状態であるのはか、歯科医院でよく相談してから考えましょう。美しい歯は自然と笑顔になります。美しい歯を手に入れて自信をもって毎日を送りたいですね!
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「炭」で歯が白くなる? 海外でも話題の「活性炭」でホワイトニング

歯の黄ばみが気になってきたけど、歯科医院でホワイトニングをするのはお金もかかるし面倒、と思っている人も多いのではないでしょうか。 念入りに歯磨きをしても黄ばみが取れない、そんな悩みを「炭」が解決するかもしれません。海外でも話題の「活性炭歯磨き」を試してみませんか。 ■なぜ活性炭で歯が白くなるの? 活性炭は脱臭効果や、汚れを強く吸着する機能を持っており、冷蔵庫の脱臭や水槽の水を綺麗にするフィルターなどに使われています。活性炭の表面には、数ミクロン単位の小さな穴がたくさん空いていて、この穴が汚れやにおいなどを取り込んでくれるのです。 その活性炭を使って歯磨きをすると、歯の黄ばみの原因である茶渋や歯の表面の汚れなどが吸着されて、本来の白さがよみがえる効果が期待できるのだそう。活性炭には、においを吸着する効果もあるので、口臭をおさえてくれるという嬉しい働きも。 活性炭には食用のものがあり、歯科ホワイトニング機器粒子は柔らかくもろいので、歯のエナメル質を研磨してしまう心配もないのだそう。 ただし、妊娠中は念のために使用はやめましょう。炭の味で気分を悪くする可能性もあります。 ■活性炭で歯を磨く手順 歯の色が汚れている、と感じたら活性炭で歯磨きをしましょう。即効性があるので、歯が黄色くなった原因が、茶渋やたばこのヤニなどの着色だけなら活性炭歯磨きの効果はすぐに実感できるはずです。 <活性炭を使った歯磨き> 1. 活性炭が散らばらないように、洗面台に紙を敷きます。服に付くと取れにくいので気をつけましょう。 2. 濡らした歯ブラシに活性炭を適量つけて、いつも通りに歯を磨きます。強くこすっても効果は変わりません。口の中を傷める原因になりますので、優しく磨きましょう。 3. 磨き終わったら口をしっかりとすすいで終了です。飲み込まないようにしましょう。 活性炭で歯磨きをすると、お歯黒のように口の中が真っ黒になります。歯磨き中は人に見られないほうがいいでしょう。 最初は粉っぽさが気になる場合がありますので、いつもの歯磨き粉にまぜて使うのもおすすめです。
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親知らずが痛い時はどうする? 5つの原因と解決策

親知らずが痛くて辛い経験をしたことのある人も多いのではないでしょうか?奥歯だけに食事もしにくくなりますし、さらに腫れたり、口が開けづらくなったりと本当に大変ですよね。今回は親知らずが痛くなる原因とその解決策について、歯科医師・岸本 佐智先生による監修記事でお話していきます。 親知らずが痛くなる原因 親知らずの痛みといっても原因は様々です。 ①親知らず周囲の歯ぐきが炎症を起こしている 親知らずはかなり奥に位置していますので、よっぽど意識して磨かなければ歯垢が溜まりやすく、非常に歯ぐきが炎症を起こしやすい状態になっています。歯ぐきから完全に露出していない親知らずの場合はなおさらです。炎症がひどくなると大きく腫れて、口を動かすだけで痛くなり、口が開かなくなります。時には、生命を脅かすことさえもあります。 ②親知らず、または手前の歯が虫歯になっている 親知らずは歯垢が溜まりやすい為に虫歯になりやすいです。また、手前の歯に虫歯を作ってしまうこともよくあります。その虫歯により神経が炎症を起こすと痛みを強く出してきます。 ③親知らずと手前の歯の間の歯ぐきに食べ物がグッとつまってしまった 完全に生え切っていない親知らずと手前の歯との間に起こりやすい現象です。 ④親知らずが手前の歯を強く押している 親知らずが斜めに埋まっていたり、水平方向に倒れている場合に見られます。このような歯は手前方向に歯を強く押すことがあります。そうすると痛みを出してきます。 ⑤親知らずが対合の歯ぐきや頬の粘膜を噛んでいる 親知らずの噛み合う相手がいない場合に延びてきた歯は、対合の歯ぐきを噛むようになります。また、親知らずの位置や向きがずれている場合などでは頬の粘膜に食い込むようにになることがあります。これらのような刺激によって歯ぐきや頬の粘膜に口内炎を作ることも少なくありません。 親知らずが痛くなった時の解決策 1.やわらかめのヘッドの小さい歯ブラシを使って食べカスや歯垢を極力取り除く 痛いからと言ってブラッシングを避けていると、余計に歯ぐきの炎症は悪化してしまいます。ひどくなると口が開きづらくなったり熱が出たりさえします。歯ぐきの炎症の原因となっている汚れを効率よく取るためには、ヘッドの小さい歯ブラシ(子ども用の歯ブラシやタフトブラシなどだとなおよい)を使うとよいです。歯ブラシの毛は歯ぐきを傷つけない為にも「やわらかめ」を使いましょう。ただし、柔らかすぎると歯垢が落ちにくいので注意が必要です。 2.うがい薬で消毒する イソジンなどの殺菌作用に優れ、刺激の少ないうがい薬でよくぶくぶくうがいをすると感染部位の殺菌が期待できます。 3.食べる時に痛い側の方は一切使わないようにする 痛い部分ではさすがに噛もうとしないと思いますが、その手前の同じ側で食事をしたりするとどうしても食べカスが痛い部分にまで届いてしまい、刺激をしてしまいますので反対側で噛むようにしましょう。 4.痛みが辛い時は痛み止めを飲む 痛い時は無理をせずに痛み止めを使いましょう。変に我慢をすると、食事もままならず体力が落ちて余計に炎症がひどくなりかねません。生体情報モニタ 5.十分に休養をとって安静にする 体力が落ちていると免疫力も落ち、炎症が起こりやすくなります。体力が回復すれば、炎症もそれに伴って落ち着いてくることも多いです。痛い時はゆっくり休みましょう。 歯科医院での対処法は? 上記の対処法は、あくまでも応急処置です。 「親知らずが痛くなる原因」で挙げたように、 痛みの原因は様々です。虫歯や歯を押している痛み、歯ぐきや頬の粘膜を噛んでいる痛みの場合は上記の方法では痛み止め以外は全く効果がありません。また、痛み止めはあくまでも痛みを感じなくさせているだけなので、根本的な解決にはなりません。 親知らずは、抜いた方が良い場合・抜かなくて良い(抜くべきではない)場合があります。正常に生えて機能している場合、もちろん抜く必要はありませんが、親知らずに痛みが見られる場合は何らかの異常があることが多く、その場合の親知らずの痛みを根本的に解決するには、抜歯が最適であることが大半です。痛いなと思ったら、早めに歯科医院で相談すると良いでしょう。…
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歯を失っても困らない!?歯の再生はもうすぐできるの?

最近再生医療という言葉を聞く機会が多くなりましたよね。医科ではiPS細胞を用いた臨床応用もされていて、今後はいろいろな病気への治療も期待されています。dentalzzそんな再生医療を歯には応用できないの?って思われる方も多いのではないでしょうか?今回は歯科における再生医療についてどこまで進んでいるのかお話していきましょう。 現在行われている歯科の再生治療 実は歯科では以前から再生医療が行われていました。といっても歯の再生ではなく歯周組織(歯を支える歯茎や骨など)の再生です。歯周病に罹ると歯の周囲の歯周組織が崩壊していきます。通常の歯周治療では歯周病の進行を食い止めることはできても失われた歯周組織を取り戻すことはできません。 しかし、歯周組織再生療法を用いることで失われた歯周組織を取り戻すことができる場合があるのです。 歯周組織再生療法にはGTR法(歯周組織再生誘導法)と呼ばれる方法とエムドゲイン®(エナメルマトリックスタンパクを主成分とする材料)を用いた方法があります。歯を失ってから再生するのではなく、歯を失わないように歯周組織を再生するという考え方です。 再生医療と名前がついている治療法は歯周組織再生療法だけですが、これ以外にも今後の再生療法の土台となる治療は行われています。 例えば歯の移植です。大きな虫歯で歯を抜かなければならなくなった場合に、抜いた歯の場所に変わりの自分の歯を植える方法です。通常、この代わりの歯には親知らずを用います。移植以外に、インプラント治療も再生医療に近い治療と考えられます。インプラント治療は歯の失われた部分にチタンで作られた人工歯根を植え込み、その上にかぶせ物を装着していきます。このように現在行われている治療で再生医療に近づいている治療もあるのです。
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歯が痛い原因、歯髄にあるかもしれません。歯髄炎って一体なに?

歯のトラブルの代表といえば、虫歯、歯周病が思い浮かぶのではないでしょうか。このほかにも、歯髄炎が歯のズキズキとした痛みの原因になっていることがあります。ここでは、歯髄炎とはどのような状態なのかを見てみましょう。 歯髄はどこにある? 歯髄とは、歯の中にある神経と血管でできた部分のことです。歯髄は、歯茎の中にある2本または3本の歯の根から細く伸びて、上の方で合流しています。歯の表層から離れた奥の方に位置しているので、健康な歯であれば基本的には痛みを生じることはありません。歯科 口腔内カメラ 歯髄炎の原因で最も多いのは虫歯   <虫歯の進行の仕方> C1:歯の表面のエナメル質だけが虫歯になっている状態。虫歯の部分だけを削り、穴を埋める治療を行います。 C2:エナメル質の奥にある象牙質にまで虫歯が進行しており、冷たいものが歯にしみます。虫歯の部分を削り、穴を埋める治療を行います。 C3:虫歯が歯髄にまで達して歯髄炎を起こしている状態。神経を残せる場合と残せない場合があります。 C4:歯の根だけが残り、歯髄が腐敗している状態。抜歯が必要なこともありますが、根管治療によって歯を残せる可能性もあります。 ※詳しくは、「歯が痛い!?虫歯の進行度別にみる治療法と受診のめやす」をご参照ください。 虫歯がC3の段階にまで進行すると歯髄が炎症を起こし、熱いものがしみるようになります。何もしていないときでも歯が痛くなるようだと、歯髄炎はかなり進んでしまっていると考えられます。そのまま放置すれば歯の根に膿がたまって激痛を引き起こします。このほか、外傷や歯ぎしりによる歯髄への刺激によって歯髄炎になることもあります。 歯髄を残せる場合と残せない場合 歯髄炎は「神経を取る」治療の対象となります。しかし、すべての歯髄炎で神経を取るわけではありません。歯髄炎には、神経を残せるものと残せないものとがあります。 神経を残せないのは次のような場合です。 神経のダメージが元に戻らないと判断される場合(不可逆性歯髄炎) 神経が露出している場合 痛みの持続時間が長い場合 反対に痛みがなく、神経のダメージが回復すると判断される場合(可逆性歯髄炎)は神経を残せる可能性が高くなります。歯髄を残す治療では、虫歯になった部分を削り、薬剤をつめて歯髄を保護します。痛みを生じないようなら詰め物や被せものを入れて治療は完了です。 まとめ 歯髄炎は、虫歯が歯髄にまで達したときに引き起こされることが多く、中には歯を抜かなければならない場合もあります。神経のダメージが回復すると判断される場合は歯髄を残す治療を行います。また、神経のダメージが回復しないと判断され、神経を取らなくてはならない場合でも根管治療によって歯の保存を目指すことができます。 根管治療については、「虫歯を放置するのは危険!歯髄炎に必要な根管治療とは」でまとめておりますのでこちらをご参照ください。
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