「過剰歯があるので、手術しましょう」突然そう言われたら、びっくりして戸惑ってしまいますよね。まだ小さい子どもが、手術なんてして大丈夫なのか……と、親ならなおさら心配してしまうかもしれません。 もしかしたら、いてもたってもいられずに検索した末に、このページに飛んできたという人もいるのではないでしょうか?ここでは「過剰歯」と診断されたときの基礎知識と対処法について、歯科医師の先生方にご説明いただきました。 「過剰歯」って何? 「過剰歯(かじょうし)」とは、正常な本数を越えて通常生える本数よりも多く存在する歯のことを言います。正常な歯の数は、乳歯が20本、永久歯は親知らずを含めて32本と決まっていますが、それを越えた余分な歯が「過剰歯」になります。歯科機器通販 過剰歯ができるのは、歯のもとの状態である「歯胚(しはい)」が過剰に作られてしまったり、2つに分かれてしまうことが原因で、20~30人にひとりの割合で「過剰歯」があるといわれ、それほど珍しいことではありません。 発生しやすい箇所は、「前歯の真ん中(正中部)」。その多くは完全に生えてくることはなく、骨のなかにとどまっている状態です。 「過剰歯」の発見はレントゲン 骨のなかに留まっていることの多い「過剰歯」は、歯医者さんでレントゲン撮影をしたときに発見されることが多いそう。また、永久歯が生えそろう際に歯と歯の間に異常な隙間ができると、過剰歯の存在を疑うようです。 「過剰歯」って抜かなくてもいいの? 現代は昔の人に比べて柔らかい物を食べることが多いため、あごの骨が小さくなってきています。そのため「過剰歯」が生えることで歯の並ぶスペースがなくなり、歯並びが悪くなったり、生えるべき永久歯が生えてこられないこともあります。 抜いたほうがいい「過剰歯」 「過剰歯」があると、歯並びが悪くなったり、生えるべき歯が生えてこられなくなる可能性があります。また、周囲からばい菌が入って「嚢胞(のうほう)」という膿の袋を形成する原因になる恐れも。よって、基本的に歯科医師は「抜歯」をオススメします。 抜かなくてもいい「過剰歯」 深く埋まっていて周囲の歯にほとんど影響がなさそうな場合、ほかの歯と同じように生えているときは、抜かずに経過観察をすることがあります。これも歯科医師がレントゲン等を見てきちんと判断してくれるようです。 「過剰歯」はいつ抜けばいい? 「過剰歯」は、前歯が生え変わる6~8歳頃に発見されることが多いです。発見されたら早めの「抜歯」がオススメです。ある程度永久歯が生えてしまうと、歯並びは改善できないこともあり、矯正治療が必要となります。早い時期に抜歯をしておくことで、歯並びは自然に良くなっていくこともあるそう。 また、大人になってからの「抜歯」は、過剰歯が骨の奥に入り込んでしまったり、骨が硬くなってしまっていたりと、手術の負担が大きくなることもあります。早めに抜歯しておきましょう。 早期に「抜歯」をしたい一方で… ただし、就学前の子どもだと「抜歯」そのものが難しいケースも。永久歯が生えきっていない間に抜歯をしてしまうことで永久歯の根の先を傷つけてしまう可能性もあります。 そのため、埋まっている深さや永久歯の位置関係を判断して抜歯の時期を決めていきます。 「過剰歯」の手術ってどうやるの? どんな手術をするの? まっすぐに生えている過剰歯は、普通の抜歯と変わりません。一方で、骨のなかに埋まっている過剰歯の場合は、歯肉を切開し、周囲の骨を削って抜歯をする手術をすることもあります。 埋まっている過剰歯の向きや、周囲の永久歯との位置関係をX線やCTを使って把握し、骨を削る場所や取り出す方向を考えます。 どんな麻酔を使うの? 過剰歯の位置によって部分的な「局所麻酔」、もしくは「全身麻酔」をかけます。患者さんは小さな子どもがほとんど。歯の場所によって歯茎を大きく切開したり、骨を削ることもあるため、恐怖心を取り除くためにも全身麻酔を行うこともあります。 手術時間ってどれくらい? 手術時間は医師によって異なりますが、だいたい数十分~2時間程度。過剰歯の埋まり具合や根っこの形状、周りの歯との位置関係によっても手術の難易度は変わってきます。 費用は保険に準じますが、麻酔の種類や入院をするかどうかによって金額に開きがあります。数千円で済む場合もあれば、数万円かかることもあると考えてください。 術後の経過はどうなるの?…
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