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感動は“偶然的”でなく“必然的”に創り出せる?

株式会社ポジティブドリームパーソンズ(以下PDP)と金沢工業大学の感動デザイン工学研究所(以下K.I.T.感動研)は、2012年から取り組みを行っている共同研究の結果を日本感性工学会大会にて発表した。PDPは、国内外でホテル、レストラン、ウェディング、宴席、フラワー、コンサルティングのサービスを提供している会社。同社は、同社で提供するサービスに独自に構築した「感動の技術化(※)」の手法を取り入れ、顧客に想像を超える感動を提供することで日本No.1の感動創出企業を目指しているという。一方、K.I.T.感動研は、心理学と工学の融合により“感動”を数値化し、産業の各分野への応用研究に取り組んでいる。両者は、2012年より産学連携により高い感動を誘発させるサービスの共同開発を目的とした様々な取り組みを実施してきた。結婚披露宴やレストランでの演出やサービスに対する顧客の感動の度合いを測定した2012年の実験や、2013年の「感動の技術化」にもとづいて制作された映像データの社外モニターによる視聴時の生理機能測定(この年には、心電計、アイカメラを用いた各種データを計測)などがそうだ。

今年度の第16回日本感性工学会大会では、上述の2013年の共同研究の結果をK.I.T.感動研の所長・神宮英夫氏が中心となって論文発表した。論文では、対象のモニター実験により、測定した心電・脳機能・瞳孔径の生理機能の数値的変化から、映像を視聴したモニターの心の動きの関連を考察している。それにより、ヒトの感動は単に興奮だけでなく、興味・関心、情報処理の密度などの多様なこころの動きに関係していることが明らかになったことを発表した。この研究は金沢工業大学感動デザイン工学研究所と株式会社ポジティブドリームパーソンズとの、感動を科学する共同研究の一環として行われたものだ。

結婚式の模様を記録したDVDのような、ある意図の下でプロデュースされたものを観た際に、作り手の意図通りに観た人が受け止めているかどうかは、そのプロデュースが成功したかどうかの決め手となる。しかしながら受け手による言葉による評価では、受け手そのものが意識していない部分も多く、科学的な評価手法が求められてきた。神宮教授の研究は、心電計と脳機能測定装置(NIRS。前頭葉の血流中の酸素化ヘモグロビン量を測定)とアイマークレコーダ-(眼球の瞳孔大きさを測定)を使用し、異なった意図のもとで編集された結婚式の2種類のDVDを男女22名のモニターが視聴し、作り手の意図通りに観た人が受け止めているかどうかを明らかにしようとしたもの。

実験では、2種類の映像のうち、片方の映像は観る人のこころの動きが激しく、また、プロデュースされた意図に見合った生理測定結果も一部得られた。さらに感動は、単に興奮だけではなく、複合要素から構成されていることも明らかになった。神宮教授は今後、人が感動している際の各要素を特定し、これらに対応した生理・脳機能を明らかにすることで、客観的指標による感動度を規定していく考えだ。

PDPでは、今後もK.I.T.感動研と共同し、この研究により獲得した数値のさらなる精度向上と、感動を創出するサービスの商品化の実現を目指して取り組みを続けていくとしている。さらには、これまではサービスを受ける側、または映像を視聴する側の顧客に対するデータを中心とした測定であった実験を、サービスを提供する側に対しても実施していく予定。サービス提供側の感動の度合いを測定することで、PDPが提供するサービスの良質なパフォーマンスのノウハウをより科学的に解明し、事業運営のさらなる質向上につなげていきたいとしている。

※「感動の技術化」とは
「感動の技術化」とは、PDPがこれまでに手掛けた数万件以上のサービス提供の経験やノウハウ、さらには学術研究を基に独自に開発したサービスメソッド。人が感動する際のメカニズムを理論的に分析し、感動を“偶然的”ではなく“必然的”に創り出し、方程式化することで全てのサービスに展開している。

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